オルガンリサイタルシリーズについて 　
　
【スクリーン投影による解説つき】

国内外で活躍するオルガニスト山本真希が、世界的オルガン製作者ゲルハルト・グレンツィングの代表作であるりゅーとぴあの大オルガンを駆使し、毎回特色のあるテーマを設けて本格的なオルガン作品の演奏をお届けするシリーズです。今回からスクリーンでの解説映像とともに演奏をお贈りいたします。

【出演】

オルガン／山本真希 （りゅーとぴあ専属オルガニスト）
トランペット／佐藤友紀 （東京交響楽団首席トランペット奏者）

【プログラム】

♪S.ラフマニノフ ： 前奏曲嬰ハ短調「鐘」
♪P.I.チャイコフスキー ： 組曲「くるみ割り人形」 Op.71aより 花のワルツ
♪F.メンデルスゾーン ： オルガン・ソナタ 第5番 ニ長調 Op.65-5
♪A.ホヴァネス ： 聖グレゴリオの祈り Op.62b ★
♪P.エベン ： 窓 ★　ほか

　 ★…トランペットとの共演曲

　
　
リサイタルシリーズによせて （山本真希）

リサイタルシリーズ第22回は、中欧・東欧の音楽をテーマにとりあげ、前半はロシア、ポーランド、ハンガリーの管弦楽、ピアノ作品を、後半はペトル・エベンのトランペットとオルガンのための作品、メンデルスゾーンのオルガンオリジナル作品をお贈りいたします。

交響曲やピアノ協奏曲で親しまれているチャイコフスキーは、民族色豊かな音楽と西欧音楽を融合させてモスクワを拠点とする一つの流れをつくり、その後のロシア音楽の発展の礎を築きました。その伝統を受け継ぎ、大ピアニストとして一世を風靡したラフマニノフの華やかでドラマティックな音楽は、様々な映画やドラマを彩り、華麗な演技で人々を魅了するフィギュアスケートでも好んで用いられています。

祖国ポーランドを愛し、ピアノの詩人と呼ばれたショパンは、ピアノの可能性を駆使した素晴らしい作品を多く残しました。民謡の宝庫として知られるハンガリーでは、古い楽譜から収集したハンガリー民謡をモチーフにした作品が数多く存在し、アジアにルーツを持ち、他の諸民族やキリスト教との関わりの中で育まれたハンガリー独特の民族性が色濃く反映されています。

ユダヤ系でチェコ出身のペトル・エベンは、南ボヘミアで幸せな少年時代を過ごしましたが、ユダヤ人迫害が増した第２次世界大戦時代、強制収容所での辛い経験を強いられました。彼の代表作のひとつであるトランペットとオルガンのための「窓」は、シャガールが平和への願いを込めて手掛けたステンドグラスからインスピレーションを得て書かれた作品です。トランペットは東京交響楽団首席トランペット奏者の佐藤友紀さん。輝かしさと力強さ溢れる佐藤さんの名演でお楽しみください。

自由と平和を求め、変革と波瀾の歴史を歩んだ中欧・東欧諸国の様々な音楽を通して、西欧音楽とは異なる味わいをお楽しみいただければと思います。

山本真希（やまもとまき）／オルガン

神戸女学院大学音楽学部、同大学専攻科卒業後、渡独。ドイツ、フライブルク、シュトゥットガルト、フランス、ストラスブールで学ぶ。オルガンを井上圭子、Z.サットマリー、J.ラウクヴィック、C.マントゥーの各氏に師事。第1回ドイツ・ランドゥスベルク国際オルガンコンクール第3位。日本各地、ドイツ、ポーランド、オーストリア、チェコ、イタリアで演奏会を開いている。2006年4月、りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館専属オルガニストに就任。ソロCD「グレンツィング・オルガンの魅力No.1」、東京交響楽団との共演による「サン=サーンス／オルガン交響曲第3番」のライヴ録音CDをリリース。大阪、相愛大学音楽学部オルガン科非常勤講師。

佐藤友紀（さとう とものり）／トランペット

東京藝術大学卒業。アカンサス音楽賞受賞。第16回日本管打楽器コンクール第1位。第69回、第72回日本音楽コンクール第2位。第2回リエクサ国際トランペットコンクール入選。第6回フィリップ・ジョーンズ国際コンクール第3位。01年～03年、東京藝術大学管弦楽研究部非常勤講師を務める。03年～06年、ドイツ国立ハンブルク音楽大学に留学。これまでに岡田治久、杉木峯夫、福田善亮、Ｅ.コード、故P.ティボー、M.ヘフスの各氏に師事。現在、東京交響楽団首席トランペット奏者、シエナ・ウィンド・オーケストラ客員契約団員。東京藝術大学、洗足学園音楽大学、尚美ミュージックカレッジ専門学校コンセルヴァトアールディプロマ科、各非常勤講師。日本トランペット協会常任理事。

【全席自由席のこだわり】

りゅーとぴあのオルガン公演は全席自由席。１階は天上から降り注ぐような柔らかな音に包まれ、２階はオーケストラにも似た迫力ある音響が得られます。３階席はパイプと同じ高さにあるため、非常にクリアで立体的なサウンドを堪能出来るのが魅力です。あなただけのお気に入り席で聴くか。さらによい席を求めてトライするか。各人各様、ご自由にオルガンの響きをお楽しみください。
※一部お入りいただけない席もございます。