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Special interview 八木大輔さん(第1回) – この選曲には理由がある。新潟公演の「隠れたテーマ」とは?!

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(C)アールアンフィニ

Special interview 八木大輔さん(第1回)

数々の国際コンクールを史上最年少で制覇し、世界的ブランドの「シャネル」も支援する現役高校生・17歳のピアニスト八木大輔さん。10月8日(金)に開催された三重県文化会館でのコンサートの直後、興奮も冷めやらぬ中で、11月12日(金)の新潟公演に向けての意気込みを伺いました。全3回のインタビューをお届けします。(第2回 第3回 はこちらから)

 

―八木さん、お疲れのところありがとうございます。本日のプログラムは11月の新潟公演とほぼ同じでした。選曲理由を聞かせてもらえますか。

 ※新潟公演曲目 
  ベートーヴェン/ロンド・ア・カプリッチョ
  シューベルト(リスト編)/アヴェ・マリア
  クライスラー(ラフマニノフ編)/愛の喜び&愛の悲しみ
  リスト/「ドン・ジョヴァンニ」の回想

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八木さん 平日昼間の気軽な公演なので、お客様にとっては難解ではなく、聴き易い作品を選びました。また実は「隠れたテーマ」があるんです。

―どんなテーマ?

八木さん 「音楽史上の友情・愛」です。例えば、今回はベートーヴェンに始まりリストで終わりますが、実はこの二人は師弟関係。ベートーヴェンにとっての「愛弟子」がリストでした。2曲目はリストが編曲したシューベルトの「アヴェ・マリア」。リストはシューベルトの歌曲をこよなく愛し、よくピアノで弾いていたそうです。3曲目はクライスラー作曲、ラフマニノフ編曲の「愛の喜び&愛の悲しみ」。タイトル自体にも「愛」が含まれますが、この二人は互いを認め仲も良く、厚い友情で結ばれていました。クラシックの殿堂であるカーネギーホールで共演もしています。

―本当だ!作曲家同志の友情や愛でプログラムが貫かれていますね。では最後の曲は?

八木さん 最後にお贈りするのは「ドン・ジョヴァンニ」の回想です。言わずと知れたモーツァルトの傑作オペラが原曲ですが、伝説上のプレイボーイが主人公。愛が行き過ぎ、最後には地獄落ちした男の話です。この曲も「愛」がテーマですよね。このように、音楽史上に輝く「友情」または「愛」が、1時間のテーマになっています。

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八木大輔さん、7歳の頃

―同時にこの選曲は、とんでもなく難曲揃いだなと。「アヴェ・マリア」でさえ、リスト版の楽譜は無数の音符で真っ黒に埋め尽くされています。

八木さん 今はヴィルトゥオーソ系(超絶技巧系)の曲を、意図的に多く取り組んでいます。理由は17歳の現役高校生である僕にとって、音数が少ない曲はまだ難しいと考えているからです。例えばモーツァルトの作品がそうですが、音が少ない曲は純粋にその音と、そのアトモスフィア(雰囲気)の世界で勝負しなければならない。今の僕の年齢や経験で、それは容易なことではありません。ただ今後は果敢に挑戦し、自分の音楽をもっと深めていきたいと思っています。

 

Special interview 第2回 第3回 はこちらから

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