新潟はシュツットガルトになるか?
diary
シュツットガルトとは何か
「新潟はシュツットガルトになるか?」これは、批評家の三浦雅士さんがNoism Company Niigataの20周年記念冊子に公演の評をご寄稿いただいた際につけられたタイトルです。
『ジョン・クランコ バレエの革命児』
先日、新潟・市民映画館「シネ・ウインド」で上映中の『ジョン・クランコ バレエの革命児』を見てきました。来週(2026年6月5日)まで上映予定ですのでみなさまもぜひご覧ください。
ジョン・クランコはドイツの地方都市、シュツットガルトのバレエ団を世界有数のバレエ団に育て、『ロミオとジュリエット』『オネーギン』『じゃじゃ馬馴らし』といった数々の名作を生み出した振付家です。映画では、クランコが小さなカンパニーに居場所を見つけ、カンパニーの中で劇場支配人、ダンサー、スタッフはじめ、様々な人々とぶつかりあいながら、芸術家として情熱と信念を持って、「シュツットガルトの奇跡」と呼ばれる成功を収める様子が描かれていました。
また、映画では触れられていませんが、ジョン・ノイマイヤー、イリ・キリアン、ウィリアム・フォーサイス、そしてウヴェ・ショルツといった大物振付家たちが、クランコの影響を受け、このシュツットガルト・バレエ団から巣立っていきました。
私がクランコの作品で最初に出会ったのは『ロミオとジュリエット』。映画の中でもロミオの友人であるマキューシオの死、ロミオとジュリエットのバルコニーのシーンの振付が描かれていましたが、それは「人間とは何か」「生きるとは何か」を問いかけ、生き急ぐ若者の愚かさ、切なさを見事に描いています。その劇的で、美しい作品は、クランコがなくなった今も世界中のバレエ団で上演されています。
シュツットガルトは20世紀バレエにおいて、新潟は21世紀バレエにおいて
三浦雅士さんは、金森穣の『かぐや姫』とNoism20周年記念公演「Amomentof」での2作品を物語バレエと抽象バレエの新展開になっていると評しつつ、寄稿文の最後をこのように結んでいます。「シュツットガルトは20世紀バレエにおいて燦然と輝いている。いずれ新潟が21世紀バレエにおいて燦然と輝くことになるだろうと、私は信じている。」
この寄稿文をいただいてから2年。りゅーとぴあの劇場専属舞踊団・Noism Company Niigataは存続の岐路にいます。『ジョン・クランコ バレエの革命児』の上映も現在のNoismの状況を憂い、シネ・ウインドのみなさんが企画してくださったものです。
Noismとしても金森穣の次世代の振付家の育成に取り組んでおり、その萌芽が見え始めている最中での現在の状況。新潟はシュツットガルトのように奇跡を起こせるのか、起こせないのか。新潟が、りゅーとぴあがNoismを失くしてしまうというのはどういうことなのか。あらためて、みなさまとともに考えていければと思います。




