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当財団とレジデンシャル芸術監督との協議経緯及び現状のご報告

2026年02月25日お知らせ

当財団とレジデンシャル芸術監督との協議経緯及び現状のご報告

令和8年2月25日
公益財団法人新潟市芸術文化振興財団

 新潟市民芸術文化会館(愛称:りゅーとぴあ)の指定管理者であり、新潟市が定めたレジデンシャル制度に基づくレジデンシャル事業の実施主体である公益財団法人新潟市芸術文化振興財団は、現レジデンシャル芸術監督(Noism Company Niigata芸術総監督)である金森穣氏のご退任意向に関する報道等により、市民や関係者の皆様にご心配をおかけしていることをお詫びいたします。当財団として、芸術監督と行ってきた協議経緯をお伝えするとともに、現状のご報告をさせて頂きます。

1.りゅーとぴあのレジデンシャル制度の開始と金森監督の芸術監督就任について
 Noism Company Niigata(以下、Noism)は2004年に国内初の公立劇場専属舞踊団(金森穣氏の芸術監督就任条件)として設立された劇場専属舞踊団で、現在でも国内唯一の存在であり、その質の高い芸術性等が国内外で高い評価を受けてきました。他方、市民の中にはNoismの活動内容に批判的な声もあり、2019年には新潟市により「劇場専属舞踊団検証会議」が設置され活動内容の検証が行われました。そこでの「一人のアーティストへの支援のように見えてしまう点は問題がある」「レジデンシャルの仕組みそのものの見直しも必要」等の意見を受け、新潟市は2021年に「新潟市民芸術文化会館レジデンシャル制度に関する有識者会議」を設置、あらためて課題を洗い出し、明文化した制度として再構築を進めました。
 この会議の有識者からの意見を踏まえて、制度の活動目標や基本方針、新潟市と当財団の役割分担、芸術監督の任期上限等を定めた「りゅーとぴあのレジデンシャル制度」が始まりました。新潟市及び当財団は、2021年11月に、金森氏に対し、任期上限の点を含めご説明した上で、レジデンシャル芸術監督への就任を依頼しました。金森氏にはこれを受諾頂き、以下の各契約が締結され、Noismはこの制度の中で活動を継続することとなっております。

(1)りゅーとぴあのレジデンシャル制度についての「覚書」
 令和3年(2021年)11月24日付で新潟市と当財団はレジデンシャル制度についての「覚書(別紙1)」を締結し、以下等について合意

  • レジデンシャル芸術監督の任期は、1期5年以内
  • レジデンシャル芸術監督の任期上限は、2期10年
  • レジデンシャル芸術監督の任期更新の判断方法は、3年間の事業評価を踏まえ、4年目(最終年の1年以上前)に、新潟市及び外部有識者からの意見を参考に当財団が決定。任期を更新した場合には、通算して8年目に次期レジデンシャル芸術監督の選定を行う
  • りゅーとぴあの施設の占用は、スタジオB(年間10カ月間を目途)、練習室7、練習室8とする

(2)金森監督とのレジデンシャル事業の実施、芸術監督就任等についての「合意書」
 令和3年(2021年)11月24日付で新潟市、当財団、並びに金森氏は、「覚書(別紙1)」に基づく「合意書(別紙2)」を締結し、以下等について合意

  • 当財団と金森氏は「覚書(別紙1)」に基づきレジデンシャル事業を実施し、新潟市はこれを支援
  • 金森氏は「覚書(別紙1)」の内容を了承のうえ、レジデンシャル芸術監督に就任
  • レジデンシャル事業の名称は「Noism Company Niigata」とする
  • 金森氏のレジデンシャル芸術監督の任期は令和4年(2022年)9月1日から令和9年(2027年)8月31日迄
  • 財団が「覚書(別紙1)」に基づき延長を要請し、金森氏が受諾した場合は令和14年(2032年)8月31日迄延長することができる

2.金森監督の任期更新に向けた協議と退任意向のご表明
 当財団は、2025年7月頃から金森監督に対し、「有識者会議で任期更新の要請が了承された際には任期更新を依頼したい」として、複数回、意見交換を重ねておりました。ただ、金森監督からは現制度では任期更新は難しいとの意向が示されておりました。
 その後の有識者会議で金森氏への任期更新要請の了承を受け、当財団は、同年11月5日、金森監督に対し正式に任期更新の依頼を行いました(11月15日をご回答期限とお伝えしています)。その際、実現可能な活動環境の改善策(海外公演のための財政支援や、練習室確保のための検討)も提示いたしましたが、金森監督からは、11月11日に、次期監督は引き受けられない旨のご回答がありました。
 11月21日には、金森監督から、「任期更新を固辞する理由」が示され、監督の任期更新を受けるための条件として、以下の4項目が提示されました(11月20日付文書。後に金森監督がご自身のブログで同様の内容を公開されました)。

  • 芸術監督任期上限の撤廃
  • 専用稽古場の建設(市施設の改修)、あるいはスタジオBの専用化
  • 財団職員の増員、あるいは契約スタッフの財団職員化
  • 舞台担当財団職員のレジデンシャル事業専従化(財団職員が担ってきた施設管理業務の外注化)

 当財団は、新潟市とともに金森監督の文書を真摯に検討いたしましたが、これらへの対応は困難との結論に至り、12月26日、金森監督に対し、11月5日の正式依頼の際にお伝えした以上の対応は難しいことを書面で回答するとともに、年明けに面談をして意向を伺いたいとお伝えしました。
 これに対し、金森監督からは12月28日に、「2027年8月(今期限り)で退任させて頂く、年明け(今後)の面談はもう必要ない」旨のご回答がありました。なお、回答と同日(12月28日)には、「Noism金森穣芸術総監督が退任の意向」、「2027年8月末で任期満了」といった新聞報道もされ、金森監督は報道機関に対し、退任の旨をお話しされている様子でした。
 こうした経緯を経て、当財団は、これを最終回答として受け止め、翌12月29日のお知らせ文書(「金森監督への感謝と、そのレガシーを引き継いでいく決意を込めて」)を公表させて頂いたものです。
 当財団としても任期更新に向けた協議を誠意をもって続けてきたつもりではございますが、上記のとおり、金森監督からは協議の継続を含めて固辞される旨のご回答が示されたものでした。
  
3.現状のご報告
 上記のとおり、12月28日の金森監督からの回答をもって当財団による金森監督への任期更新の要請は終了しており、当財団では今後、次期監督の選定に向けた検討を進めてまいります。
 経緯のご報告が遅れ大変恐縮ですが、今後とも当財団の活動にご理解とご支援を頂きたく、ここに記させて頂く次第です。

「覚書(別紙1)」
「合意書(別紙2)」

 

参考 2025年12月29日 金森監督への感謝と、そのレガシーを引き継いでいく決意を込めて
https://www.ryutopia.or.jp/news/40826/