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3/6(金)「ジョイント・コンサート in 江南区」出演・浜まゆみさん(マリンバ)インタビュー!【前編】

3月6日(金)新潟市江南区文化会館にてりゅーとぴあ音楽アウトリーチ事業第6期アーティスト『ジョイント・コンサート』を開催します。コンサートに先駆け、ゲストとしてご出演されるマリンバ奏者の浜まゆみさんにインタビューをおこないました。浜さんは東京を拠点に国内外を問わず演奏活動をおこなっており、りゅーとぴあでもこれまでに1コイン・コンサートやラ・フォル・ジュルネ等にご出演されています。
インタビューを通して『マリンバ』がクラシック音楽界で他の楽器とは一線を画す重要な立ち位置を築いてきたこととそのポテンシャルの高さを感じました。

(インタビュー:2026年2月)

 

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【浜さんとマリンバについて】

—まずは浜さんが思うマリンバの魅力をお聞かせください。

私はマリンバの最大の魅力は低音の響きだと思っています。マリンバは打楽器の仲間なのでリズム楽器としての要素もありますし、木琴と同じように軽快でシャープな音を出す印象をお持ちの方も多いと思いますが、柔らかいメロディやハーモニーを奏でるのも得意な楽器です。私の中では打楽器というよりどちらかというとピアノに近い感覚でしょうかね。私は10歳くらいの時に聴いたマリンバの低音が忘れられず、プロを志すに至りました。

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—マリンバは何歳から始められたのですか?

5歳の時です。私は音楽一家で育ったわけでもなく、3姉妹の真ん中っ子として長野県で育ちました。おじいちゃんが3姉妹ということを喜んでピアノを買ってくれたんですね。それから姉が近所のピアノ教室に通うことになり、留守番が苦手だった私は一緒について行くことにしました。その先生は音大でマリンバを専攻されていたので、ピアノの他にもマリンバを教えていたのです。楽しそうにマリンバを弾いている生徒さんを見て、自分もやってみたいと思ったのが始めたきっかけです。マリンバなんて聞いたこともなかったのですが…。当時は子供で背が低かったので、台の上に立って4オクターブのマリンバを弾いていました(笑)

—そこからプロを目指すようになったきっかけはありましたか?

小学3年生くらいまでは1オクターブくらいしかない卓上木琴で練習していました(笑)。いつ止めるか分からないのにマリンバのような大きい楽器は簡単には買えませんから。小学4年生くらいの時に、中国で開催される日中友好演奏会でマリンバを演奏する機会をいただきました。海外の舞台で演奏するにあたって、先生の師匠である安倍圭子先生を紹介していただきました。安倍先生は世界中を飛び回る多忙な方だったので、今思えば本当に有難いことでした。約束の時間の5分前に先生のご自宅のインターホンを押したら、しばらくして「ごめんなさい。今ちょっと作曲していて、それが佳境でもうすぐ終わるから、少し家の周りを歩いてて」と言われました(笑)。数分後、家の中に通されると「たった今、小学校の教材用に海を題材にして曲を書いたから、あなたの感想を聞かせてちょうだい」って言われたんです。その時に聴いた低音が忘れられず、冒頭で話した通り、それがプロを目指す大きなきっかけだったと思います。マリンバのオリジナル曲を聴くのは初めてで、それが今まで弾いていた、リズム中心で高音がコロコロ鳴る木琴で演奏するような曲とはあまりにも雰囲気が異なっていたので、もうある意味ショックでしたね。当時はまだマリンバのオリジナル曲は少なかったので、編曲の作品を演奏するしかなかったんです。

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日中友好演奏会での一枚

—安倍先生との出会いが大きな影響を与えたんですね。

はい。その時に安倍先生が演奏されていたマリンバが、当時はまだ市場に出回っていなかった5オクターブのものだったんです。安倍先生はYAMAHAと共同で5オクターブマリンバの開発に携わっていたので、もしかしたら第1号か試作品かもしれない楽器を目の前で、しかも出来立てほやほやの曲を聴いたんです。これはもう究極のアウトリーチですよね。「遥かな海」という曲でした。私もあんな豊かな音を出したい、そう思いました。実際にレッスンが始まると、私は初めての5オクターブだったので、混乱してしまって自分でどこを弾いているかわからなくなってしまいましたが(笑)。
その後は1年に1回くらいは東京の安倍先生のご自宅でレッスンを見てもらいましたね。安倍先生は世界中を飛び回っていましたし、私は長野在住だったので、それが精一杯でした。ただ、安倍先生が教えていらっしゃる桐朋学園大学に進学しようと決意してからは頻繁に通いました。

無事に大学に合格してからは、どんどんマリンバの奥深さを知りました。安倍先生が作曲したサンプルの曲を演奏する機会などがあり、新しい奏法が生まれる瞬間に立ち会えたりしたことは本当に貴重な経験でした。安倍先生のもとに海外からたくさんの留学生が来ていたことは、その先生の影響力の大きさを物語っていたと思います。安倍先生はマリンバを「打楽器の中の一つの楽器」から「独奏楽器」に位置づけた、マリンバ史を語るには欠かせないパイオニアであり、マリンバ演奏を通じて日本の精神や文化を海外に発信している唯一無二の存在です。音楽は後世に伝えていかないと残らないと思うので、私も日本人作曲家の作品をよく取り上げて次の世代につなげていきたいと思っています。

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—今回「ジョイント・コンサート」でも安倍圭子先生の曲を2曲演奏されますね。

はい。「風紋」は遠くから風がフェードインしてフェードアウトしていくような曲です。ハーモニーがすごく綺麗な曲なので、マリンバの豊かな響きをお届けしたいです。激しい中間部とのコントラストも聴きどころです。「竹林」はマリンバの特殊奏法や日本的な要素が入っており、歌舞伎や能で使われるリズム(タン、タン、タンタンタン・・・・・)が使われています。ジョイント・コンサートでは、登録アーティストのお二方がピアノとサクソフォンで西洋の音楽を演奏されると思うので、日本的な曲を弾きたいなと思って選曲しました。また、情景を想像しやすい曲なので、マリンバを初めて聴く人にとっても良いかなと思います。

—今回の公演会場である江南区文化会館は本当に良く響くホール。客席は稲穂をイメージしたデザインなので、今回の演奏曲と雰囲気が合いそうですね。とても楽しみにしております!

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