3/6(金)「ジョイント・コンサート in 江南区」出演・浜まゆみさん(マリンバ)インタビュー!【後編】
3月6日(金)新潟市江南区文化会館にてりゅーとぴあ音楽アウトリーチ事業第6期アーティスト『ジョイント・コンサート』を開催します。コンサートに先駆け、ゲストとしてご出演されるマリンバ奏者の浜まゆみさんにインタビューをおこないました。その後編をお届けします。
(インタビュー:2026年2月)

【浜さんとアウトリーチについて】
(一財)地域創造・公共ホール音楽活性化支援事業(おんかつ)登録アーティストや(公財)ソニー音楽財団「こどものためのクラシック」登録アーティストとして音楽の普及に努める浜さん。りゅーとぴあでもこれまでに「アウトリーチ研修会」で模擬アウトリーチを実践くださっています。最近ではアメリカでも演奏をしたんだとか。そんな浜さんにこれまでのアウトリーチのご経験についてお伺いしました。

2019年に実施した模擬アウトリーチの様子
—これまでのアウトリーチの現場で印象に残っていることはありますか?
今でこそ「アウトリーチ」といったら学校にいって音楽を届けて、というイメージが定着していると思うのですが、私が(一財)地域創造のおんかつアーティストになった時はまだそうしたイメージが無かったので何をしても良かったんです。私が印象に残っているのは、河口湖で地域の高校生が所属している環境系のボランティア団体さんとコラボしたことですね。地域住民にも参加してもらって、自然解説員のレクチャーを受けながら富士山の周りの公園の中を散策し、自然環境の豊かさを再認識するという企画でした。拾ったゴミから楽器をつくってみんなでミニコンサートもおこないました。ちょうどボランティアの中にギターを弾ける高校生がいて、その子の選曲で、私はマリンバを、参加者はボディーパーカッションやゴミでできた楽器を一緒に演奏しました。どんな楽器が出来上がるか全く予想ができなかったので、何パターンかリズムをつくってどんな形状の楽器でも対応できるように工夫をしました(笑)。


—りゅーとぴあの音楽アウトリーチ事業では小学4年生を対象にするという枠組みが定まっています。
私がおんかつアーティストをやっていた頃は、各地のホール側のリクエストに応じて、院内学級や作業場のようなところだったり、船の上だったり、古墳の前でも演奏したことがありました(笑)。地域によってニーズが異なるので、例えばその地域で竹が有名だったら、竹を会場に持ってきてもらってみんなでリズム遊びをしたり、と行く先々で臨機応変に対応できるようになったと思います。ピアニストと即興をしたこともありましたね。子どもたちから無茶ぶりがくることもありました。アーティストとしての腕を試される場面は多かったですが、縛りのない「自由」という意味では、本当に良い経験でもあったと思います。
—最近はアメリカの図書館でも演奏したと伺いました。
沖縄で図書館司書向けのアウトリーチをおこなったことがあります。司書の方が選んだ本に音楽をつける、という内容です。子どもたちへの読み聞かせと音楽をコラボさせ、接点をつくろうという試みでした。アメリカではカリフォルニア大学の図書館でミニコンサートをおこないました。終わった後にマリンバについて色々な質問をしてくださった方もいました。至近距離での演奏に図書館の館長がとても喜んでくださって、普段接点のない業種が繋がれるということは素敵なことだと改めて思いました。

アメリカでは高校でもアウトリーチを行ったそうです。

—浜さんはこれまでに数々のアウトリーチの現場をご経験されたと思いますが、それがご自身の演奏活動にどのような影響を与えているのでしょうか。
アウトリーチを体験する人たちは必ずしも音楽に興味があるわけではないので、特に子ども対象の場合は、初めて生の音楽を聴く場であることが多いと思います。そこで「もう音楽はいいや」となるか「楽しいな」と思ってもらえるか、非常に責任重大な役割だと考えて います。「子どもだから簡単な曲の方が…」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、子どもに対峙する現場はとてもシビアだと思います。私自身が10歳で安倍先生の演奏を聴いたことがきっかけでここまで来たので、子どもだからといって妥協はしたくないですね。そして、コンサートの舞台でも「もしかしたらもう二度とこの人に聴いてもらえないかもしれない」と、一期一会を意識するようになりました。アーティストの立場からするとリサイタルは「自分がやってきたことを見てもらう場」と考えがちですが、やはりお客様がいて初めて成り立つ場ですし、一緒につくりあげていくことで成り立っているものなんだと思いますね。
—アウトリーチをする上で、体験者に「こう感じてほしい!」などの願いはありますか?
何を感じるか?というのは受け手側に委ねられていることだと思うので、「絶対こう感じてほしい!」ということは無いのですが、演奏を聴いた後に何か心に残るものがあったらいいな、とは思っています。子どもの場合は45分間ずっと集中して聴くのは難しいでしょうし、もちろん集中してくれたら嬉しいですが、しなかったらダメというわけでもなく…。ただ、「なんだろう、この音?」とか「今の音が面白かった」など、ひとかけらでも何かその人の心に残るものがあったら嬉しいです。そういうものが残せたなら、そのアウトリーチは成功だと私は思います。







