【ジュニア劇団APRICOT25周年】節目の年を支える講師3人の座談会 Vol.2
interview
2026年、りゅーとぴあジュニア劇団APRICOTは25周年を迎えました。昨年から新たな指導者になった、脚本・演出の三浦真央さん、歌唱指導の横山道子さん、振付指導の廣池結稀さん。三浦さんと横山さんはAPRICOTの卒団生で、廣池さんも新潟で表現活動を続けてきた一人です。
8月7日(金)~9日(日)には、APRICOTの誕生25周年を記念した夏季公演『オズの魔法使い』を上演します。本番を目前に控えた3人に、節目の年にかける意気込みや子どもたちへの思いを伺いました。
りゅーとぴあジュニア劇団APRICOT2026夏季公演『オズの魔法使い』
座談会vol.1は こちら から

プロフィール
三浦真央(写真中央)/脚本・演出、パフォーマンスクラス講師
長野県出身、新潟市在住。2007~2013年まで「りゅーとぴあ演劇スタジオキッズ・コース APRICOT」に在籍。卒団後も演出助手として多数の公演に携わり、現在は実妹とともに演劇ユニットSouer+(スール)を主宰する劇作家・演出家。
横山道子(写真右)/歌唱指導、ヴォーカルクラス講師
新潟市出身。2001年、りゅーとぴあ主催ミュージカル「ファデット」で初舞台。2003年、りゅーとぴあ開館5周年記念ミュージカル「家なき子」にて主人公レミ役を務める。IVA公認インストラクター、日本人で3人目となるAdvanced Instructor(Level4)認定者。現在は、自身のスタジオ「Michiko Vocal Studio」にてボーカルレッスンを行なっている。
廣池結稀(写真左)/振付、ダンスクラス講師
新潟市出身。6歳よりよさこいを始め、ジャズ、HIPHOP、バレエの基礎を学びながら身体表現を深める。現在も“にいがた総おどり祭“を創るホストチーム「響’」として「にいがた総おどり」の運営に携わり、祭りづくりや地域活動を行っている。現役保育士として勤務しながら、こどもの発達に合わせた身体表現や表現の幅を広げるための体づくりを通して、「自分らしく表現する楽しさ」を大切に伝えている。
子どもたちと、どう向き合うか。
――皆さんは講師としてどんなことを大切にしていますか?
廣池さん
私自身、ダンスを始めたばかりの頃は苦手意識を持っていたので、子どもたちの「なぜうまくできないんだろう」という気持ちがよくわかります。当時の自分がどう成長していったのか、実体験を伝えられるように、思い通りにできなかった頃のことはいつでも引き出せるようにしています。
それから「実際に動いてみると案外難しいんだよね」という感覚も大切にしています。今もプレイヤーとして踊り続けているので、教える立場であっても、踊る側の視点を忘れないよう心がけています。
三浦さん
結稀さんは、振り付け以外にもそれぞれのキャラクターの所作だったり、稽古中表情が暗い子や困っている子がいないかなど、とても広い視野で見てくださるので頼りにしています。
横山さん
踊りのないパートでも、姿勢ひとつで見え方や空気感が変わるんですよね。結稀さんは、子どもたちがきちんと自信を持ってステージに立てるところからサポートしてくださる心強い存在です。
廣池さん
そんなふうに言ってもらえるなんて。隅っこで泣いていた経験があってよかったです(笑)

横山さん
私は子どもの頃、歌に苦手意識があって、舞台上で自信をもって歌えずにいたんです。なので稽古で心がけているのは、「みんなそれぞれ違う楽器(声)を持っているから、自分の声を好きになってほしい」ということ。APRICOTではひとりで歌うだけではなく、みんなで息を合わせてハーモニーを奏でなければなりません。ソロとコーラスのどちらも大切なので、自分の声を伸ばす時間とチームとして一つの音楽を創る時間の両方を設けています。
三浦さん
子どもたちに向き合うとき、いちばん大切にしているのは「言葉を尽くす」こと。APRICOTの舞台は、景色や村の人々、ドロシーたちの前に現れる獰猛な動物まで、すべてを子どもたちが表現します。セリフ、歌、身体表現を組み合わせて世界観を創っているんですね。そんな中でそれぞれが「どういう役割で舞台に立っているのか」を明確にイメージすることが求められます。演出家として、どんなシーンを創りたいと思っているのか、どんなキャラクターだと解釈しているのか、できる限り言葉を尽くして伝えています。

――稽古場で感じる子どもたちの成長について教えてください。
三浦さん
子どもたちの中で3つの部門にわかれた、総勢15名のリーダーがいます。リーダーたちが発声やウォーミングアップの時間を引っ張ってくれたり、稽古中も率先して声を掛けてくれたりするおかげで、稽古場に良い空気が流れています。
みんなのお手本になってくれるリーダーたちの存在は、とても大きいです。集団をよりよい方向へ導きながら、子どもと大人をつないでくれるキーパーソンでもあります。時折、うまくいかないことを自分の責任のように感じて涙を流して悔しがるリーダーもいます。その責任感ややりがいは尊重したい、でもひとりで抱えないでいいんだよ、とも伝えたい。私は子どもたちと同じ目線に立ち、一緒に悩んで、一緒に喜びたいと思っています。
横山さん
昨年、指導陣が一新してから、子どもたちは私たちをあたたかく受け入れてくれました。ただやっぱり最初は多少の遠慮もあったと思うんです。信頼関係が深まったのは、3月の関係者向けの発表会を無事に終えた頃。ぐっと距離が近づき、悩みや本音を話してくれたり、たわいもないおしゃべりを楽しんだりする時間が増えました。
廣池さん
稽古のたびに、「劇団員さんたちと講師が一丸となってひとつの作品を完成させるんだ」という強い意志を感じます。“教える側の先生と習う側の生徒”という関わり方とは違い、互いに「これが創りたいんだ」と言い合い、さらなる高みを目指しています。普通の習い事では経験できない、APRICOTならではの熱量です。

いよいよ夏季公演の本番が迫る!
――8月7日(金)~9日(日)には、新体制になって初めての公演 『オズの魔法使い』 が開催されます。みなさんの意気込みを教えてください。
廣池さん
いよいよですね。ワクワクしています(笑)。3月の公演を終え自信をつけ、さらに前向きに取り組む子どもたちの姿は頼もしいです。私は子どもたちが安心して表現できる環境を創ることに徹して、最後までみんなに丁寧に寄り添って本番を迎えたいと思っています。これだけ大勢の子どもたちが“新潟で”表現活動を楽しんでいることを、多くの方に知っていただきたいです。
APRICOTの公演は、演劇に初めて触れる方にも楽しんでいただける作品です。世代を問わず楽しめる舞台ですので、ぜひたくさんの方に足を運んでいただけたら嬉しいです。
横山さん
今回の公演でも素敵な音楽がたくさん登場します。作曲を担当してくださった小助川さんの楽曲が物語の世界観を豊かに広げてくれていて、子どもたちは一生懸命練習しているところです。
春の発表会では音を覚えて歌うことで精一杯だった部分もありましたが、夏の公演では、その先にある「歌で物語を伝えること」を叶えたいと思っています。本番まで子どもたちが自信を持って、生き生きと歌えるように全力でサポートします。

三浦さん
まず何より、子どもたちが「これは自分たちが創った舞台なんだ」と胸を張って立てるように力を尽くしたいと思っています。これまでAPRICOTを応援してくださった方、それから初めてAPRICOTに出会う方にも、「こんな素敵な子どもたちがいるんだ」「また観に来たいな」とAPRICOTのファンが増えるきっかけになればいいなと思っています。
稽古はこれから佳境を迎えます。きっとたくさんの壁にぶつかると思いますが、コミュニケーションを密に取りながら、みんなで乗り越えたいと思っています。必ず、子どもたち一人ひとりの輝きを感じていただける舞台をお届けします!

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