事業のご紹介

りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館「レジデンシャル事業」の事業概要をご紹介しています。なお、詳細は以下のボタンよりダウンロードいただけます。

停止・再生

歴史的背景

新潟湊は江戸時代から日本海交易の重要拠点であり、北前船や川舟が行き交い繁栄しました。各地の歌や踊りが持ち込まれ、独自の文化が形成されてきました。江戸時代には町民が四日四晩踊り明かし、現在も市民の手によって多様なジャンルの踊り手が集まる大規模イベントが開催されています。江戸時代から今に続く日本舞踊宗家、国内大会で上位常連の高校生創作ダンスなど、多様な「踊り文化」が息づいている土地です。

嘉永5年(1852)閏2月8日(詞書) 蜑の手振り(盆踊)
新潟奉行川村修就関係資料 新潟県指定文化財
画像提供:新潟市歴史博物館みなとぴあ

これまでの取り組み

1998年、コンサートホール・劇場・能楽堂という3つの専門ホールを備えた、りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館がオープンしました。以来、舞踊だけでなく、音楽・演劇・伝統芸能等を含めた総合的な舞台芸術センターとして、りゅーとぴあは新潟市の文化政策の中核的な役割を担ってきました。

そのりゅーとぴあを拠点に 2004年、国内唯一の公共劇場専属舞踊団として金森穣芸術監督率いるNoism Company Niigataが活動を始め、優れた舞踊作品の創造と国内外での公演を積み重ねてきました。2021年に新潟市は、それまでの成果と課題を検証し、持続的な発展・成熟を目指して「りゅーとぴあのレジデンシャル制度」を制定しました。これ以降、いっそう舞踊分野における事業展開は活発となり、舞台公演と共に小学校への訪問型アウトリーチや社会包摂を意図したワーク・ショップ等を展開してきました。

劇場

事業分野を「舞踊」とする理由・目標

舞踊は、基本的に「言語」を用いず、人が有する「身体」によって表現する舞台芸術です。人と人とを隔てる言語・国境・民族などの様々な障壁を飛び越えて、見る人の心に直接働きかけることのできる強い訴求力を持っています。

この度、当財団は新潟市と協議し、「りゅーとぴあのレジデンシャル制度」に基づいて行う2027年9月1日からの5年間の事業分野を、引き続き『舞踊』とすることにしました。この事業を「踊り文化」の文化的土壌に富んだ新潟市において行うことで、大きな文化的成果が生まれることが期待できます。新潟市は21世紀に入ってから、14市町村を編入して本州日本海側で唯一の政令指定都市となりました。海岸部から広大な新潟平野、丘陵地帯に至るまで、豊かな自然が広がっています。当財団は『舞踊』によって、この地に生きる方々の毎日がさらに豊かになること、美しさを知る機会となること、人と人とがつながることを目指します。そして、市民の皆様から広く愛される舞踊事業を展開し、多様性に富んだ地域づくりに貢献したいと考えています。

2026年7月31日
公益財団法人 新潟市芸術文化振興財団

スタジオB

りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館 外観

前提

事業の前提となる以下の事項は、新潟市が定めた「りゅーとぴあのレジデンシャル制度」に基づいて市と当財団が締結した覚書に規定されています。この制度は、5年あるいは10年ごとに選出される芸術監督が中心となり、最大10年間の期間を任期としてりゅーとぴあを拠点に活動を行うものです。

(1)事業背景・根拠
新潟市「りゅーとぴあのレジデンシャル制度」
(2)事業分野
舞踊(新潟市と当財団の合意事項)
(3)実施主体
(公財)新潟市芸術文化振興財団
(4)活動拠点
りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館
新潟県新潟市中央区一番堀通町 3-2

「りゅーとぴあのレジデンシャル制度」について

公益財団法人新潟市芸術文化振興財団が実施主体となり、専属契約を締結したアーティストが本市に居住しながら、活動目標の実現に向けて、りゅーとぴあを拠点に年間を通して創造活動等を行い、創造された舞台芸術作品をりゅーとぴあ及び国内外において公演等を行うとともに、市民の文化芸術活動の振興に貢献する継続的な取り組み。

〇活動目標・基本方針

活動目標 基本方針
りゅーとぴあ及び新潟市のプレゼンスの向上
  • 質の高い舞台芸術作品の創造・発信
  • 新潟市独自の多様な文化を活用
市民の文化芸術活動への支援と新たな鑑賞者の増加
  • 市民や地元の様々な団体等との交流・連携
  • 舞台芸術の普及・啓発・人材の育成
地方都市から舞台芸術を創造・発信する取り組みの波及
  • 国内他館との協力関係の構築
  • 舞台芸術に携わる新潟市のクリエイティブ人材等の活用

〇市、財団の役割分担

新潟市
  • 目標、基本方針の設定
  • 活動拠点及び活動費用の一部を継続的に支援
  • 市の施策への有効活用
(公財)新潟市芸術文化振興財団
  • 制度の枠組みを市と協議の上決定
  • 制度に基づくレジデンシャル事業の実施

〇活動形態等

① 芸術監督の任期

1期5年以内

② 芸術監督の上限年数

2期10年を上限

③ 1年ごとの活動評価

アウトカム指標を定めたうえで、1年ごとに財団による自己評価を行った後、外部有識者からの意見聴取を経て活動評価を行い、結果を公表します。

④ 評価指標の設定

市・財団・芸術監督が協議し、アウトカム指標を定めます。

⑤ 芸術監督の任期更新の判断方法

3年間の活動評価を踏まえ、4年目(最終年の1年以上前)に、市及び外部有識者からの意見を参考に芸文財団で決定。なお、任期更新が行われた場合、8年目に次期芸術監督の選定を行います。

⑥ レジデンシャル制度の見直し

(市は)制度を持続的に発展・成熟させるために、制度そのものの成果と課題について定期的に検証を行い、財団と協議のうえ改善を図ります。

事業概要

1. 事業名称

5年間使用する名称は、芸術監督と相談して決定します。
「りゅーとぴあ」という言葉と、「舞踊」あるいは「ダンス」を表す言葉は入れる必要があると考えています。

2. 事業期間

2027年9月1日~2032年8月31日
第1期の3年間が終了した時点で事業評価を行い、新潟市・有識者の意見を参考にした上で、当財団から芸術監督に 2037年8月31日まで任期更新の要請を行う可能性があります。

3. 事業目標

「りゅーとぴあのレジデンシャル制度」の【活動目標】と【基本方針】をふまえ、当財団は 2027年9月から2032年8月までの5年間で、以下の効果が表れることを目指します。

【活動目標】

りゅーとぴあ及び新潟市のプレゼンスの向上

【基本方針】

  • 質の高い舞台芸術作品の創造・発信
  • 新潟市独自の多様な文化を活用

5年間で目指すこと

りゅーとぴあを拠点として、多様な趣向・方法による舞台芸術作品の創造と発信を行い、市内各地の多くの市民にそれを届けていく。

本市の歴史や風土から作られた様々な文化や地域資源を、作品創造に活かしていく。

【活動目標】

市民の文化芸術活動への支援と新たな鑑賞者の増加

【基本方針】

  • 市民や地元の様々な団体等との交流・連携
  • 舞台芸術の普及・啓発・人材の育成

5年間で目指すこと

新潟市内で、舞踊をはじめとする文化芸術活動をしている方々、まちづくり・福祉・産業等を主な活動域とする方々と協働・共創することにより、双方にとって今後の活動展開の突破口となる機会を創出する。

そのような協働・共創をする中で、舞台芸術の魅力や面白さに触れる人、舞台芸術を理解し支援する人、舞台芸術に携わる人を育成していく。

【活動目標】

地方都市から舞台芸術を創造・発信する取り組みの波及

【基本方針】

  • 国内他館との協力関係の構築
  • 舞台芸術に携わる新潟市のクリエイティブ人材等の活用

5年間で目指すこと

りゅーとぴあを拠点に創作した質の高い舞台芸術作品や、様々な市民と協働・共創した取り組みを、新潟市内外、国内他都市に発信していく。

本市在住のクリエイティブ人材と出会い、協力して事業を進めていく。

※ここで掲げた項目を踏まえた上で、芸術監督からの自由な発想や創意による、『ぜひこういう目標を設定して事業を展開したい』という独自のご提案を、歓迎いたします。応募書類の中にその考えを盛り込んで、ぜひご提案ください。

4. 施設

事業提案を踏まえて、劇場、スタジオ、練習室などの利用が可能です。この利用は、「5.(1)事業資金」の枠外で別に提供されます。 詳細は、芸術監督と事業計画を作成する中で協議し、決定していきます。

劇場

スタジオB

練習室5

5. 事業資金・人員・今後の運営

(1) 事業資金

1年間の事業資金は、次のように想定しています(今後、入場料等の収入や国・市から得られる補助金等の額により、大きく変動する可能性があります)。

入場料収入等 1,000 万円
財団外部からの事業補助金収入 6,000 万円
計 7,000 万円

入場料収入等が大きくなる事業展開を行うと、その収入を資金として本事業の拡大・充実にあてることができます。

(2) 人員

① 芸術監督(1 名)

芸術面の責任者であり、運営面の責任を財団と共に担います。

② ダンサー

事業資金を元に、芸術監督と相談して決定します。

③ スタッフ

事業資金を元に、芸術監督と相談して決定します。
※この他、当財団職員3名が本事業に従事します。当財団職員の人件費は、「(1)事業資金」の枠外で別に提供されます。

(3) 今後の運営について

当財団は 2021年以来、「りゅーとぴあのレジデンシャル制度」に基づいて劇場専属舞踊団を運営してきました。同制度の活動目標の実現と、基本方針に沿った事業展開のために、それが最適であると考えてきたからです。

今回、芸術監督を公募するにあたり、同制度が内包している幅広い可能性に立ち返って、応募される方が様々な提案ができるようにいたします。

以下、これからの体制を考えていただく上での、いくつかのポイントを整理いたします。

〇舞踊団、または専属カンパニーを組織することが必須なのか

まず、芸術監督のお考えをお聞きします。芸術監督のお考えや今後の事業展開を見据えて、「事業計画」を協議していく中で最適な方法を検討していきます。

〇ダンサーやスタッフと年間単位で契約することが前提なのか。作品やプロジェクトごとに人員を編成する形式も可能なのか。

どちらも可能です。レジデンシャル制度の活動目標や基本方針の実現に向けて、芸術監督のお考えをベースに「事業計画」を協議していく中で、最適な方法を検討していきます。

〇ダンサーやスタッフとの契約までの手順はどうなるのか。

2027年9月以降のダンサーやスタッフとの契約に関し、現時点で契約上の義務はありません。オーディション実施の有無も含めて、芸術監督のお考えをお聞きし、最適な方法を検討していきます。

〇これまで制作されたレパートリーや蓄積された活動・資産はどのように扱うのか

レパートリーや蓄積された活動・資産に関しては、まずこれまで当財団と権利者の間で交わしてきた契約の規定に従うことが必要です。それ以外のことは、芸術監督と「事業計画」を協議して行く中で、検討していきます。

6. 契約方法

芸術監督との契約は、次のとおりです。

(1) 基本契約[合意書]

新潟市・当財団と三者契約(5年)
事業名称、活動体制、任期等

(2) 年度契約:当財団と契約

(1年毎。初年度7か月、最終年5か月)
業務内容、報酬額・支払方法、外部企画への出演・参加、禁止行為、契約解除等 ※当財団の事業年度は4月1日~3月31日です。

7. 初回公演

初回公演を、いつどのように行うかについては、芸術監督と事業計画を作成する中で協議し、決定していきます。

8. 事業の方向性

「りゅーとぴあのレジデンシャル制度」の目標達成に向けて、当財団が芸術監督とともに5年間で目指すことは「3.事業目標」に記載した通りですが、特に以下の2点を重点方針として位置づけます。

  • ○質の高い舞台芸術作品(舞踊)の創造・発信 <生み出す・伝える>

  • ○市民や地元の様々な団体等との交流・連携 <つながる・つなげる>

各方針の実現に向けて、多様な取り組み形態・方法で事業を実施していくことをめざしたいと考えています。
実際に展開する具体的な取組形態や手法などは、芸術監督と事業計画を作成する中で協議し、決定していきます。

9. 役割分担

芸術監督と新潟市・財団は、それぞれ役割分担をして本事業を行います。

芸術監督は、新潟市の文化政策の一環である「りゅーとぴあレジデンシャル制度」に基づいて、公の財団が公の施設を用いて行う事業の芸術監督ですので、公の視点から求められる職務があります。

詳細は、新潟市・財団・芸術監督の役割分担のとおりです。

10. ハラスメント対策

私たちは誰でも、他者から傷つけられることのない安全な環境でなければ、安心して最大の能力を発揮することができません。当財団は本事業に限らず、全ての事業においてハラスメントのない環境づくりを目指しています。ハラスメントに関する研修を実施し、相談窓口を設置するなど、ハラスメント対策を行っています。

この事業概要の趣旨をご理解いただき、新潟市・当財団と協力して、
新たな活動のフィールドに挑戦してくださる方のご応募をお待ちしております。

新潟市・財団・芸術監督の役割分担

市の立場・役割 財団の立場・役割 芸術監督の立場・役割

立場
【制度の設置者。制度の目的が達成されるよう財団・芸術監督と協力する】

立場
【制度に基づいて事業を行う実施主体。運営面の責任を芸術監督と共に担う】

立場
【制度に基づいて行われる事業において、芸術面の責任者であり、運営面の責任を財団と共に担う】

主な役割

  1. 制度に関すること(活動目標、基本方針等の設定、制度評価、課題把握、改善等)
  2. 活動拠点及び活動費用の一部を継続的に支援するために必要なこと
  3. 市の施策への有効活用に関すること

主な役割

  1. 芸術監督、ダンサー、専属スタッフとの契約に関すること
  2. 資金計画、経理に関すること
  3. 市・文化庁等の公的補助金における事務手続き(申請、実績報告等)に関すること
  4. 国内外の関係先と締結する契約に関すること
  5. 財団内・館内の調整に関すること
  6. チケット管理・物販に関すること
  7. (事業主体として)社会包摂、環境配慮、あらゆる差別やハラスメントを排する活動の推進に関すること
  8. 事業評価に関すること

主な役割

  1. 公演:幅広い観客を惹きつける舞踊作品の創作、公演制作に関すること(高い芸術性と集客増の両立)
  2. 芸術普及:多様な市民向けの芸術普及プログラムの企画制作に関すること、芸術の魅力を伝えて将来の観客獲得につなげること
  3. 人材育成:多彩な人材育成プログラムの企画制作に関すること、新潟市等で活動するクリエイティブ人材の活用に関すること
  4. 顧客開発:観客の多様性確保、様々なアプローチによる新たな観客層の開拓、ファン獲得戦略に関すること
  5. 国内外で行う公演ツアーの企画制作に関すること(付随するワーク・ショップ等を含む)
  6. (芸術監督として)社会包摂、環境配慮、あらゆる差別やハラスメントを排する活動の推進に関すること
  7. 市内の様々な団体・組織と連携し、事業の地域への浸透を図るための企画制作に関すること

財団・芸術監督の協議事項

  1. 事業計画立案、決定に関すること(芸術監督と財団でアイデアを出し合って協議)
  2. 予算編成に関すること
  3. 市・文化庁等の公的補助金獲得に関すること
  4. 民間資金獲得に関すること
  5. 事業のための運営体制・人員の編成に関すること(ダンサー・専属スタッフの募集、選定、契約金額の決定等)
  6. 国内外での活動に関すること
  7. 外部からの依頼による公演・企画等に関すること
  8. 公演・芸術普及・人材育成・顧客開発に関すること(戦略の統一、PR戦術立案等)
  9. その他、制度の目標を達成するために必要なこと

市・財団・芸術監督の協議事項

  1. 市の文化政策、レジデンシャル制度、財団の運営方針に整合した事業展開を行うために必要なこと
  2. 制度の運用に関すること(事業評価のためのアウトカム指標の設定、アウトカム指標に基づく事業評価の確定、施設の利用に関すること等)
  3. その他、制度の目標を達成するために必要なこと