伝統と革新の融合へ
―77年間受け継がれてきたDNAがここに。注目必至のベートーヴェン&ヴィトマンプログラム―

Program

“カヴァティーナ”
L.v.ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第13番 変ロ長調 作品130
J. ヴィトマン:弦楽四重奏曲 第8番 (Beethoven Study Ⅲ)*
J.ヴィトマン:カヴァティーナ~弦楽四重奏曲 第10番 (Beethoven Study V)*
L.v.ベートーヴェン:大フーガ 変ロ長調 作品133

*ジュリアード弦楽四重奏団委嘱作品

断固として妥協しない音楽づくりでクァルテット界における不動の地位を確立したJSQ (Juilliard String Quartet)

弦楽四重奏界のトップに君臨し続け、完璧なアンサンブルで聴衆を魅了する「ジュリアード弦楽四重奏団 (JSQ)」がついにりゅーとぴあの舞台に立ちます。本公演は、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、2021年の開催中止を余儀なくされ、2年越しの実現となります。今回の注目は、現代のヨーロッパ音楽界のスーパースター イェルク・ヴィトマンによる2つの委嘱作品です。ベートーヴェンの後期弦楽四重奏曲にインスパイアされ、ヴィトマンがJSQのために書き下ろした2曲は2022年に世界初演されたばかりで日本で聴くチャンスはそう簡単に訪れません。ベートーヴェンが築き上げた弦楽四重奏の歴史を横断する、唯一無二のプログラム〈カヴァティーナ〉です。クラシック音楽の多様性が叫ばれて久しい昨今において、常にクァルテットとしての存在意義を自問自答し続けるJSQ。現状に甘んじることなく、常に新しいものを追い求める姿は、正に新時代を駆け抜ける冒険者。未だ誰も見たことがない境地へ、JSQと共に音楽の旅に出てみませんか。

ジュリアード弦楽四重奏団

アレタ・ズラ (ヴァイオリン) Areta Zhulla, violin
ロナルド・コープス (ヴァイオリン) Ronald Copes, violin
モーリー・カー (ヴィオラ) Molly Carr, viola
アストリッド・シュウィーン(チェロ) Astrid Schween, cello

比類なき芸術性と不朽の活力で、ジュリアード弦楽四重奏団は世界中の観衆を魅了し続けている。1946年に創設、米紙ボストン・グローブで「我が国の弦楽四重奏団史上、最も重要な存在」と評された同団は、古典作品にたゆまぬ探究心を傾けると同時に、新しい作品にも果敢に取り組み、伝統を守りつつ大胆な挑戦をするという姿勢を貫いてきた。彼らが届けるのは常に、唯一無二の音楽。それは4人に共通する、作品に対する深い洞察と全身全霊の傾注、そして弦楽四重奏という芸術に潜む驚嘆を分かち合いたいという飽くなき好奇心の結実である。

2022/23シーズン、ジュリアード弦楽四重奏団は、イタリア、ドイツ、チェコを含むヨーロッパ・ツアーで始まった。ドイツの気鋭の作曲家イェルク・ヴィトマンの2つの弦楽四重奏曲は、ベートーヴェンの後期四重奏曲と並んで演奏されるよう作曲され、初演され、日本ツアーでも披露される。

多数の名盤を誇るその名高いディスコグラフィーに加え、2021年4月にはソニー・クラシカルからベートーヴェン、バルトーク、ドヴォルザークを収録したアルバムがリリースされ、高い評価 を得た。さらに、ソニー・マスターワークスから2021年6月に創立75周年を記念したCD16枚によるセットBOX “The Early Juilliard Recordings” がリリースされた。

バルトーク、シェーンベルク、ドビュッシー、ラヴェル、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲はグラミー賞を受賞し、2011年、全米レコード芸術科学アカデミーからクラシック音楽のアンサンブルとして初めて生涯功労賞を授与されてもいる。

　各メンバーは教師としても優れており、ツアー中もマスタークラスや公開リハーサルを実施している。レジデンスであるジュリアード音楽院では弦楽および室内楽の教授を務めており、受講を希望する者が後を絶たない。毎年5月に開催している5日間に及ぶセミナーは国際的にも注目を集めている。また夏には、タングルウッド音楽祭で学生たちとともに弦楽四重奏のための集中講座を行っている。