過去と現在を往来する。弦楽四重奏の神秘に誘われるひととき。

French Collection～フレンチ・コレクション～

ドビュッシー：弦楽四重奏曲 ト短調
C. Debussy／String Quartet in G minor

バルメール：弦楽四重奏曲「風に舞う断片」
Y. Balmer／Fragments soulevés par le vent

マントヴァーニ：弦楽四重奏曲 第5番
B. Mantovani／String Quartet No.5

ラヴェル：弦楽四重奏曲 ヘ長調
M. Ravel／String Quartet in F major

「私はこれまでの音楽を忘れようとしている。そうした音楽は僕が今知らない、あるいは明日知るかもしれない音を聴く妨げになるからだ」　
by クロード・ドビュッシー

冒険心を絶やさずに常に新しいことに取り組むフランスのヴォーチェ弦楽四重奏団。今回のプラグラムは、フランスを代表する作曲家ドビュッシーとラヴェルの弦楽四重奏曲を中心に据え、現代作曲家のバルメールとマントヴァーニがそれぞれの弦楽四重奏曲にインスパイアされヴォーチェ弦楽四重奏団のために書き下ろした2曲をお届けします。ドビュッシーが語ったように、これまでの音楽への絶対的な信頼は、新たな音楽の可能性を閉ざしてしまうものかもしれません。今やクラシックのレパートリーに欠かせないドビュッシーも当時は未知なる音楽の開拓者。ならば心の扉を開けて現代の音楽を聴いてみようじゃありませんか。過去と現在が呼応するプログラム。揺れ動く時間の中で私たちはただその神秘に魅了されることでしょう。

プロフィール

ヴォーチェ弦楽四重奏団　Quatuor Voce

サラ・ダイヤン（ヴァイオリン）
Sarah Dayan, violin

セシル・ルーバン（ヴァイオリン）
Cécile Roubin, violin

ギヨーム・ベケ－ル（ヴィオラ）
Guillaume Becker, viola

アルチュール・ユエル（チェロ）
Arthur Heuel, cello

2004年にパリ国立高等音楽院で結成されたヴォーチェ弦楽四重奏団は本年結成20周年を迎える。多岐に渡る世界のクラシック音楽シーンで常に好奇心旺盛で冒険的な存在として認知されてきた。ジュネーヴ、ボルドー等数々の国際コンクールで入賞。ヨーロッパ、アジア、北米、南米、北アフリカで演奏活動を展開、フィルハーモニー・ド・パリ、ウィグモアホール、ウィーン・コンツエルトハウス、アムステルダム・コンセルトヘボウ等多くの著名コンサートホールから何度も招かれている。今井信子、ユーリ・バシュメット、ゲイリー・ホフマン、パブロ・マルケス等と共演。ＣＤも多数リリース。最新アルバムは、“Poétiques de l’instant”と題してドビュッシーとラヴェルを特集した2枚はディアパソン誌で金賞を受賞。ProQuartetの活動の一環として後進の指導にも取り組み、また独自のアカデミーと音楽祭“Quatuor à Vendôme”、 “Rendez-vous des Princes”を設立。2021年よりジュネーヴ高等音楽院のレジデンス・クァルテットに就任。日本デビューは2008年、以後、2010年、2014年、2018年と来日を重ね、本年6年ぶり5度目の来日となる。