こんな打楽器、知ってました?【岡田知之パーカッションアンサンブル】
performance
打つ楽器と書いて「打楽器」。英語ではPercussionと言いますが、ラテン語で「打つ、叩く」を意味するpercussioに由来しているそう。どちらも同じですね。10月4日(日)開催の「岡田知之パーカッションアンサンブル」では、20種類以上の打楽器がコンサートホールのステージに並びます。
ということで、今回のブログでは打つ、叩くの代表格である太鼓(ドラム)から、ちょっと変わったもの2つをご紹介したいと思います!
メロディあふれる打楽器の世界 岡田知之パーカッションアンサンブル
まるで会話しているよう? トーキング・ドラム Talking Drum
トーキング・ドラムは西アフリカに分布する枠付きの締太鼓。見た目は日本の鼓のような「砂時計型」の胴をしていることが多いです。西洋人が植民地化したアフリカの国々を訪ねた際に「人間の声のようだ」と思ったことから「話す太鼓=トーキング・ドラム」と名づけたと言われています。
トーキング・ドラムは音楽を奏でるだけでなく、その名の通り「話すため、メッセージを伝達するため」に使われることもあります。特に文字が無かったり、様々な言語が飛び交う地域において、出生・死去・結婚などを数キロ先まで知らせる重要な通信手段として発達したそうです。というのも、楽器の構造上、締糸を締めたり緩めたりする事で、まるで言葉のように音程を付けて演奏することができたからです。面白いですね!
10月4日(日)公演では、J.フィンクが作曲した「アフリカン・ファンタジー」で登場します。お楽しみに♪
トーキングドラム参考動画
少しダークな誕生秘話をもつ スティールパン Steelpan

こちらはカリブ海の島、トリニダード・トバゴで生まれたユニークなドラム。皮を張った太鼓ではなく、なんとドラム缶でできた楽器です。
この楽器が誕生した背景には、西洋諸国による植民地化という少し悲しい歴史があるのです。19世紀後半、イギリスの植民地支配を受けていたトリニダード・トバゴでは、それまで現地に根付いていたアフリカやインドの太鼓を祭事等で使用することが禁止されました。その代わりに人々は身近な竹を地面に打ちつけて盛り上がりました(タンブー・バンブー)が、ほどなくするとその様子を恐れた支配者が「道路を傷つける」という理由で制限。すると今度は竹の代わりに誰かがビスケット缶を叩き始めてそれが大流行。やがて石油産業で使われていたドラム缶が使われるようになり、スティールパンが誕生しました。というのも、トリニダード・トバゴでは、第1次・第2次世界大戦中に連合国軍の重要な石油供給拠点であったのです。
誕生の過程においては、人々は空き缶や鉄製容器など身近な素材を使って様々な音を出す工夫を試みました。そこで表面をへこませると音が変わることに気づき、同一鉄板上で数十もの音を出す技術を発明しました。一見シンプルな見た目のスティールパンですが、そこから異なる音の数々が出せるなんて、従来の太鼓(ドラム)に対するイメージを大きく覆すものだったに違いありません。
今でもスティールパンは現地の人々のアイデンティティとして愛されています。「禁止されたことにより新しい楽器が誕生した」。皮肉というか、怪我の功名というか・・・。こうした負の歴史が楽器誕生のきっかけとなることもあるのですね。ちなみに、イギリスの一部地域では、1970年代から音楽教育の一環としてスティールパンが取り入れられているそうですよ。
♪この楽器が使われる有名曲、それは皆さんもきっとご存知、ディズニーの名曲「アンダー・ザ・シー」。本公演でも演奏いたします!
スティールパン参考動画
なかなか面白い楽器でしょう?
これらの打楽器が教えてくれたのは、楽器というものが私たちの生活にとても深く結びつき、大きな影響を与えていたということです。それは時に生死の問題に関わるものであったでしょう。現に、支配者が音楽を禁止する、というのは裏を返せば音楽が集団に及ぼす力を認識しているからのこと。
日ごろ、音楽は「聴くもの」「趣味」として触れる人がほとんどかもしれませんが、そうした音楽と人間との関係性ができたのは、人類史的にはここ最近の話なのかもしれませんね。
打楽器とひと口にいっても、撫でたり擦ったりと音の鳴らし方はたくさんあります。今回は打つ、叩くの代表格であるドラムを紹介しましたが、10月4日(日)のコンサートではたくさんのユニークな打楽器を、解説を交えて演奏します。是非お越しください!
Next → 次回、打楽器オタクTさんに聞く!公演の魅力✨




