打楽器オタクTは語る「このコンサートに来たら打楽器のすべてが分かるといっても過言ではないと思います。」【岡田知之パーカッションアンサンブル】
interview
みなさんこんにちは。音楽企画課のおこぜです。10月4日(日)に控えた公演「岡田知之パーカッションアンサンブル」。実はこの公演を誰よりも心待ちにしているスタッフがりゅーとぴあで働いています。
ということで、世界中を旅して打楽器を収集するほどの打楽器オタク舞台技術課のTさんに打楽器への愛、そして当公演の聴きどころをインタビューしました!
メロディあふれる打楽器の世界 岡田知之パーカッションアンサンブル
前回記事➤こんな打楽器、知ってました?
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―――Tさん、まずは自己紹介をお願いします。
T:りゅーとぴあ舞台技術課のTです。りゅーとぴあは3年目で、その前は新潟市音楽文化会館に10年以上勤めていました。私は趣味で打楽器を演奏していまして、アマチュア吹奏楽団にも所属しています。
―――打楽器との出会いを教えてください!
T:打楽器との出会いは少し遅い方で、高校生の時なんです。3つ上の兄が吹奏楽部でトロンボーンを吹いているのを見て、楽しそうだなと思いました。それで自分も吹奏楽部に入りたいと思いました。当時は、メロディを担当するサックスとかトランペットをやりたかったんですが、部活動決定日に歯医者の予定を入れてしまい、楽器を決める場に居合わせられず・・・。後日、枠が空いていた打楽器を担当することになったのです(笑)
―――残り物には福があるということですね!実際は打楽器と決まってどうだったんですか?
T:印象としては、ドラムとかにカッコいいイメージを持っていたでしょうか。あとは、シンバルから鍵盤楽器まで幅が広く、得体のしれない感じがしていました。
―――いつからのめりこんでいったんですか?
T:入部してからは、体育祭やコンクールに向けて練習をする中で、合奏の楽しさを徐々に感じるようになりました。秋にはアンサンブルの部内発表会で打楽器アンサンブルに初挑戦しました。その時に選んだ曲の参考音源として聴いたのが、岡田知之打楽器合奏団のCDだったんですね。トーマス・ゴーガーの「ゲインズボロー」という作品です。そこからどんどんのめり込んでいって、高校卒業後も大学の部活で演奏していましたね。自分の場合は民族楽器などの珍しい楽器にも興味を持って、アジア系雑貨の店で楽器を買ったりするようになりました。ジャンベの小さいやつとか。
―――当時買った楽器はいまだに大切に持っているんですか?
T:ジャンベに関しては、人に貸したまま返ってきていないような・・・。大学生になってからは、海外旅行に行っては、現地で民族楽器を買っていましたね。食事はポテトチップスで安く済ませて、浮かせたお金を楽器購入代に充てていました(笑)
イランでは楽器工房にお邪魔し製作風景を見学。そこでつくられた楽器を購入。

街角の楽器屋さんを物色(スリランカ)

現地に行くと、たくさんの中からイイ音がする個体を選べるのが魅力

螺鈿細工が美しい中東の打楽器。高音のハギれ良さが最高。

―――それはかなりの打楽器オタクですね。ちなみに、Tさんお気に入りの打楽器はなんですか?
T:オーケストラ等で使われるメジャーな楽器だと、轟くようなティンパニ、凛としたグロッケン、解放されるようなシンバルは好きですね。民族楽器でいうと、アフリカの楽器で、マリンバの原型と言われている「バラフォン」とかですかね。さわり音というジーっという音(三味線などでも発生する音)があるんですが、バラフォンでは鍵盤の下の共鳴管がひょうたんでできているんです。さらにそのひょうたんに穴が開いていて、その穴のところに、オリジナルなものだと蜘蛛の巣が張ってあるんです。要するに共鳴管に薄い皮が貼ってある状態なので、それでさわり音が生まれるんですが、その音がたまらなく好きです。
―――さすがにバラフォンはアフリカで買ったりはしてないですよね?(笑)
T:日本で買いましたよ(笑)。10万弱しましたが、良い買い物をしたと思っています。今は実家に置いてありますが。
自宅でバラフォンを叩くTさん。

―――今、一番欲しい楽器は?
T:ウドゥドラムが欲しいですね。これ、ほぼ壺です。あとトーキング・ドラムも欲しいと思っています。
―――夢が広がっていいですね~。買ったら見せてくださいね!トーキング・ドラムは10月4日(日)の公演でも使われますよ。ここからは公演に関することをお聞きしたいのですが、まず、Tさんにとって岡田知之さんはどんなお方ですか?
T:もう神様のようなお方ですよね。奏者としても指導者としても超一流。昨年まで私は、新潟市ジュニアオーケストラ教室の担当をしていたのですが、打楽器のメンバーが代々使っている教則本は岡田先生が書いたものですし、この業界で働いていたら誰もがその名前や業績に触れている、そんな方です。
―――なるほど、まさにレジェンドですね。そんな岡田知之さんが率いるアンサンブル集団がりゅーとぴあで公演をするわけなんですが、Tさんから見て、打楽器の上手い/下手の違い、プロの演奏のスゴイところってどこにあると思いますか?
T:打楽器は誰でも音が出せるけど、様々な音を出すのは難しい楽器だと思います。音色の変化をつけるのが、本当に難しい。打楽器を始めたての高校1年生の4月に、吹奏楽部の先生から「シンバルで50色の音色を出せ」と言われました。ただ打ち付けるだけの楽器でどうやってたくさんの音色を出せと!?と、何を言ってるんだろうぐらいに当時は思いましたが、でも、そういうことなんだと思います。プロは叩き方次第で何通りもの音を出すことができる。逆に、その場面場面にあった音が出せないのでは合奏を壊してしまいます。それに、マリンバという楽器では、片手でマレットを3本持つこともありますが、和音によってマレットの幅を開いたり縮めたりということを瞬時に行っています。これは誰でもできることではありません。私はできません(笑)。そうした個々の技術に加え、アンサンブルにおいては、歯切れの良さや音量バランス、発音のスピードなどを絶妙なさじ加減でコントロールできなければなりません。打楽器は基本的に自分の音がうるさいから周りの音が聞こえないこともあるのですが(笑)、プロはそれを客観的に判断して微調整できるのだと思います。
―――ありがとうございます。当公演は、打楽器についてよく分からない人でも楽しめる部分が魅力かと思います。Tさんの注目ポイントを教えてください!
T:クラシックの名曲、どこかで聴いたことがある有名曲が盛り込まれているので、打楽器だけで演奏したらどうなるのか、是非聴いてほしいです。また、視覚的な部分にも大注目です。「熊蜂の飛行」はご存知の通り早いパッセージを奏でます。ヴァイオリンやフルートなど、様々な楽器で演奏されるこの曲ですが、打楽器が演奏すると、よりアクロバティックになるので、そうした目で見える速さには要注目です!
―――ちなみに、Tさんのような打楽器オタクに注目してほしいポイントはありますか?
T:有名曲だけでなく、オリジナル曲を揃えてますから、打楽器の掛け合いの魅力が詰まっています。ザッツの出し方、静と動の対比、緊張感、そういったものは特にオリジナル曲から感じ取っていただけると思います。特に「鼓」では、音そのものがもつエネルギーを感じてほしいですね。この曲では、御年90歳になられる岡田先生が指揮されることも注目ポイントです。「幻のトレイン」では大人数の打楽器アンサンブルならではの音の重なり・厚みも聴いてほしいですね。研ぎ澄まされた緊張感、聴こえるか聴こえないかの絶妙なピアニッシモからホールの空気を震わすフォルテまで、これぞ打楽器アンサンブルの極致!と言わんばかりの演奏をお楽しみください。
―――Tさん、ありがとうございました! ちなみに、Tさんは本番中は舞台下手袖に控えていらっしゃる予定ですよね?(笑)客席で聴けなくて残念!
T:仕事ですので(笑)。もしかしたら転換でステージ上に出てくるかもしれません。とにかく打楽器を全く知らない人も、吹奏楽をやっている人も、打楽器オタクも楽しめるコンサートになっているので、このコンサートに来たら打楽器のすべてが分かるといっても過言ではないと思います。是非来てください!




