音楽を届けたい。 原点に立ちかえったアーティストの修行と集大成。【企画の輪郭】
performance
一度きりの鑑賞体験。その前に企画の意図や担当の思いがわかれば、公演の楽しみ方がぐっと広がるはず。作品のこと、アーティストのことを制作に携わるスタッフの目線で、企画の輪郭をなぞっていくコラムです。
今回は12月3日(木)、12月4日(金)に開催する「りゅーとぴあ音楽アウトリーチ事業 第6期登録アーティスト連続リサイタル」をご紹介。公演の前にぜひお楽しみください。
音楽を届けたい。
原点に立ちかえったアーティストの修行と集大成。
音楽の魅力を広く市民に伝える「音楽アウトリーチ事業」。オーディションで選ばれた新潟出身の2組のアーティストは、2025年5月から2年間、市内の小学4年生に生の演奏を届けています。
小学生に音楽を届けるためには様々な工夫が必要です。ほとんどの子どもたちは演奏者を慮ることはありません。つまらなければすぐ態度に出ます。ややもするとこの先一生、生演奏を聴かないかもしれません。ですので、アーティストは大きな責任を背負っています。
その責任を果たすために、学校訪問の半年以上前から準備が始まります。子どもたちに何を伝えたいのか?どう感じてほしいのか?等をりゅーとぴあのスタッフと(練習室に半日以上閉じこもって!)じっくり話し合うところから始まります。子どもたちの心に響くのは「知っているかどうか」というより「どう聴かせるか」です。選曲に妥協することなく、トライ&エラーを繰り返して2組とも意欲的なプログラムを開発しました。
2025年度は19校1,134人に音楽を届けました。本番を重ねるごとに、それぞれのアーティストが子どもたちの反応を察知し、それをMCや演奏にうまく取り込めるようになっていました。「コンサートはお客さんとともにつくるもの」。よく言われることですが、それを痛いほど身に染みて感じるのがアウトリーチの現場だと思います。
現実的な話として、今の日本でアーティストが演奏活動のみで生計を立てるのは決して容易ではありません。厳しい世界だからこそ、音楽家として生きていくには「音楽が好き」である以上に「自分が演奏する意味」を見出す必要があると思います。登録アーティストは2年間、ひたすらそのことを考え続けています。12月のリサイタルでは、真摯に音楽に向き合うアーティストの現在地を皆様にお届けいたします。新潟で未来の音楽文化を支える若き2人に、皆様から是非エールをお願いします!
片岡菜納子(ピアノ)

普段は見られないピアノの構造を覗きながらピアノの周りで演奏を聴く。


横内魁人(サクソフォン)×渡部乃亜(ピアノ)

子どもたちが参加できるように、サイコロをつかって演奏する曲を決めるプログラム。





