読売日本交響楽団との共演に向けて。ヴァイオリニスト髙木凜々子にインタビュー。【前編】

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11月15日(日)に開催する読売日本交響楽団 新潟公演。今回ソリストを務める髙木凜々子さんにご自身の活動や公演への思いを聞いてみました。【前編】

読売日本交響楽団

両親に憧れ、はじめたヴァイオリン

―――まずは、ヴァイオリンを始めたきっかけを教えていただけますか?

髙木 :両親が共に読売日本交響楽団(読響)のヴァイオリニストなので、お腹の中にいた時からヴァイオリンを身近に感じていたんだろうな、と思います。それで、両親がすごく楽しそうにヴァイオリンを弾いている姿を見て「私も弾きたい」と思い、2歳の時に祖母の家にあった小さなヴァイオリンを引っ張り出してギコギコ弾き始めたのがきっかけです。本格的にレッスンに通い始めたのは3歳からでした。

―――ヴァイオリニストになると決断した時期や、当時の環境はどうでしたか?

髙木 : 小学4年生(10歳)の時、両親から「ヴァイオリンの道に進みたいのか、勉強の道に進むのかどっちなんだ」と聞かれ、勉強が苦手だったこともあり即決で「ヴァイオリニストになる」と決めました。
その頃はコンクールも受けていたのですが、今考えるとすごく周りの環境が良くて、同級生達や先生もすごく応援してくれたんですね。なので、よりヴァイオリンの腕を磨いていきたいと思えました。

思い出深いオーケストラ、思い入れの深いコンチェルト

―――ご両親が読響の団員ということで、幼少期に読響の公演などで印象に残っている出来事はありますか?

髙木 : 有名なヴァイオリニストが来日した際、リハーサルやゲネプロを見学させてもらったことなどは印象深いです。その際演奏していた方が、約10年後に私が出場したハンガリーのバルトーク国際コンクール*の審査員にいらっしゃって、当時の思い出を直接伝える機会がありました。

*髙木さんはバルトーク国際ヴァイオリンコンクールで第2位を受賞している。

―――今回読響と共演するチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲は、髙木さんご自身の大事な場面で弾かれてきた印象なのですが、この曲に対する思い入れは?

髙木 : バルトーク国際コンクールのグランドファイナルや、プロのオーケストラ(神奈川フィル)と初共演した際にも演奏した特別な曲です。チャイコフスキーが生涯で1曲しか遺さなかったヴァイオリン協奏曲で特別な思いがありますし、当時すごく練習していたということもあり、そういった思い入れがどの協奏曲よりも一際強い協奏曲ですね。それを両親が所属するオーケストラで演奏させていただけるのは私にとっても一躍思いが強いコンサートになるんじゃないかと思います。


――― チャイコフスキー協奏曲の聴きどころや楽しんでほしいポイントを教えてください。

髙木 :第1楽章の壮大なカデンツァが終わった後のヴァイオリンソロとフルートの絡みがとても綺麗ですし、第2楽章のチャイコフスキーの内なる思いが溢れる悲しげな旋律、第3楽章は盛り上がりながらオケとソロの激熱な掛け合いがあるので、たくさん楽しんでいただけるんじゃないかと思います。


――― チャイコフスキーの協奏曲は華やかさがある一方で難易度が高い曲としても有名ですが、この曲の難しさや技術的なポイントはありますか?

髙木 : 跳躍やポジション移動、重音が多く、テンポも速い技巧的な難しさがあります。第3楽章がけっこう速いのでそこにフォーカスされがちなのですが、第1楽章だけで20分近くかかります。フレーズも長いため、弾く側としては体力・集中力の面で非常に大変です。

©読売日本交響楽団

2回目となる“読響”との共演


―――髙木さんから見た“読響”というオーケストラの印象や音色の魅力は?

髙木 : 本当に歴史のあるオーケストラですし、色々なヴァイオリニストや指揮者ともたくさん共演されていて、豊かな引き出しがあると思います。オーケストラとソリストがお互いに何か仕掛けても、それがすごくいいスパイスになって新しい音楽が作れるんです。本当に尊敬しているオーケストラで、こうして共演できるのは私にとってもすごく良い経験になると思っています。読響のみなさんはそれぞれが同じ方向をしっかりと向きながらも自由に音楽をしているような、ヨーロッパのオケに近い印象を持っています。客席で見ていて、楽しそうだな、と。(笑)
読響さんはかなり愛の深い音楽を持っているので、自分が表現したい音色を出した時にそれに応えてくれる音色が絶対向こうにもあるので、そういう意味ではとても深い音楽が出来るんじゃないかと思っています。


―――指揮者・藤岡幸夫さんの印象や楽しみにしているところはありますか?

髙木 : 藤岡さんとは何度も共演させていただいていますが、演奏者の自由な表現を受け入れて合わせてくださいます。何をやってもいいし、むしろもっとやってくれって言ってくださる指揮者の方なので、私自身すごく自由に演奏ができるんじゃないかなと思っています。
前回はヴィヴァルディの「四季」をご一緒させていただいて、その時も「もっと自由にやって」と言ってくださったので、私も「じゃあ好きなようにやらせていただきます」という感じです。

 

▷▷【後編】に続く

この記事を書いた人

音楽担当 M.N

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