万作、萬斎の狂言を能楽堂で楽しむ大好評シリーズ
開館二十周年記念の特別プログラム！

りゅーとぴあ開館20周年を記念した華やかでめでたい特別プログラムをおとどけします。祝賀の狂言「末広かり」では、晴れやかな気分を万作の至芸で堪能し、新潟ゆかりの「越後聟 祝言之式」では、萬斎が能楽の獅子舞を元に工夫を重ねてきたアクロバティックな舞をお楽しみいただけます。

撮影：政川慎治

解説　高野和憲

狂言　末広かり

果報者　野村万作
太郎冠者　中村修一
すっぱ　深田博治

笛　竹市 学
小鼓　田邊恭資
大鼓　柿原光博
太鼓　大川典良

狂言　瓜盗人

何某　野村萬斎
畑主　高野和憲

素囃子　盤渉楽

笛　竹市 学
小鼓　田邊恭資
大鼓　柿原光博
太鼓　大川典良

狂言　越後聟 祝言之式

聟　野村萬斎

笛　竹市 学
小鼓　田邊恭資
大鼓　柿原光博
太鼓　大川典良

地謡　高野和憲
　　　破石晋照
　　　中村修一
　　　飯田 豪

あらすじ

末広かり （すえひろがり）

撮影：政川慎治

果報者が来客に末広かり（扇）を贈ろうと、太郎冠者を都へ買いに行かせる。ところが末広かりが何のことか知らない太郎冠者。声を掛けてきた男の巧みな言葉に、古傘を末広かりと信じ込んでしまう。大喜びの太郎冠者は早速屋敷に帰ると、古傘を果報者に見せるのだが…。
縁起物の末広かりを題材とする、祝賀的な狂言の代表曲です。高揚する囃子物とともに晴れやかな結末へ向かう、和楽の世界をお楽しみください。

瓜盗人 （うりぬすびと）

畑主は鳥獣に瓜畑を荒らされるので、畑に案山子を作っておく。その夜、盗みに入った盗人は、それを人と思い騙されたことに腹を立て案山子を壊して立ち去る。翌日、案山子に成りすました畑主の前に再び現れた盗人は、案山子を相手に祭りの余興の出し物の稽古を始める。
先入観に捕らわれ、現実を見失いがちな人間の姿をユーモラスに描いた演目。シテの独演が見どころです。

越後聟 祝言之式 （えちごむこ しゅうげんのしき）

撮影：政川慎治

「越後聟」は、能登の舅の元へ越後の聟が土産を携え聟入りにやってきて、舅と共に待っていた姉聟の勾当が、祝儀の盃をかわしながら舞を舞う。聟はそこで、越後の獅子舞を所望され、急ごしらえの扮装でめでたく舞い納めるというストーリーです。
今回は祝言之式として、後半の聟のアクロバティックな獅子舞をお送りします。

プロフィール

野村万作　のむらまんさく

1931年生。重要無形文化財各個指定保持者（人間国宝）、文化功労者。祖父故初世野村萬斎及び父故6世野村万蔵に師事。早稲田大学文学部卒業。「万作の会」主宰。芸術祭大賞の他、紀伊國屋演劇賞、日本芸術院賞、紫綬褒章、坪内逍遥大賞、朝日賞、旭日小綬章等多くの受賞歴を持つ。国内外で狂言普及に貢献し、ハワイ大・ワシントン大では客員教授を務める。

野村萬斎　のむらまんさい

1966年生。祖父故6世野村万蔵及び父野村万作に師事。重要無形文化財総合指定者。東京芸術大学音楽学部卒業。「狂言ござる乃座」主宰。狂言・能公演はもとより、現代劇や映画、ドラマに主演するなど幅広く活躍。芸術祭新人賞・優秀賞、芸術選奨文部科学大臣新人賞、朝日舞台芸術賞、紀伊國屋演劇賞、2017年度毎日芸術賞千田是也賞、読売演劇大賞最優秀作品賞等を受賞。世田谷パブリックシアター芸術監督。