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今年もすてきな一年を。音楽とともに。

―― 年明け最初のブログは、音楽企画課の榎本さんと、Nさんのインタビューです。今年もよろしくお願いします。

榎本さん・Nさん よろしくお願いします。

―― 昨年、りゅーとぴあは3か月間の休館がありましたね。その合間を縫うようにして東京交響楽団や、映画監督 河瀨直美さんによる「トスカ」など、さまざまな公演が行われました。

榎本さん どの公演も素晴らしかったです。全席完売となった「トスカ」をはじめ、さまざまなコンサートでたくさんの方に喜んでいただけた一年でした。

―― 良い年でしたよね。さて、2018年度の東京交響楽団ラインナップが決定したということで、今日はお二人それぞれから注目公演をご紹介いただきます。

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東京交響楽団

―― まずは5月13日開催、第107回定期演奏会「3大ヴァイオリン協奏曲、一挙演奏」から。

Nさん りゅーとぴあ20周年の東響定期第一弾は、各ジャンルの3大名曲が一挙に聴けるという通常ではありえない企画で、過去開催分はほぼ完売が続く大人気企画です。

今回スポットを当てるのは、「ヴァイオリン協奏曲」。1曲目は不動の人気No.1、ヴァイオリンを始めた人は皆これを弾きたがるメンデルスゾーンです。2曲目は絢爛豪華、かつメランコリックな情緒にも溢れたブルッフ。最後は、のだめカンタービレでも有名になりましたが、旋律の美しさと奏者の超絶技巧を一挙に堪能するのに最高の1曲であるチャイコフスキーです。

―― 豪華ですね。榎本さんはどれがお好きですか?

榎本さん 私はチャイコフスキー。

Nさん ロマンチストですね。私はメンデルスゾーンが好きなのですが、注目ポイントは“世界一美しい出だし”と言われるメンデルスゾーンの冒頭を、テンポや音色を含めてヴァイトハースがどのように表現するか。
この曲は、プロのヴァイオリニストが自分の個性をいかに表現するかを競う、名刺代わりの1曲とも言える作品です。ぜひ楽しみにしてください。

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アンティエ・ヴァイトハース(ヴァイオリン) © Giorgia Bertazzi

―― Nさんはヴァイオリンのプレイヤーでもあります。

Nさん はい。中学生のときに初めてメンデルスゾーンを弾けて、感激しました。

―― 続いてのご紹介はこちら。7月8日開催、第108回定期演奏会「ヴェルディ渾身の大作、レクイエム」

榎本さん イタリアは美食の国としても有名ですが、音楽の面でも「◯◯の国」と呼ばれているんです。何かご存知ですか?

―― なんでしょう。

榎本さん イタリア語は普通に話していても歌うように抑揚豊か。実際に名歌手が多いことから、「歌の国」と呼ばれています。その「歌の国」の国民的作曲家がヴェルディ。彼の作品はオペラ、歌劇が特に有名で、サッカースタジアムで流れる壮麗な音楽は歌劇「アイーダ」の中の凱旋行進曲ですし、歌劇「ナブッコ」の中で歌われる「行け、我が想いよ、黄金の翼に乗って」はイタリア第二の国歌として親しまれています。

そんなヴェルディが渾身の思いを込めて作曲した「レクイエム」は、祈りと、激しい情感が織り込まれていて、とてもドラマチックなんです。

―― 「怒りの日」はものすごい迫力ですよね。

榎本さん 東京交響楽団と4人の実力派ソリスト、それに「にいがた東響コーラス」の大合唱が加わって、出演者の総勢は250人くらいになるのかなあ。とにかく今シーズン一番の大規模、大迫力のコンサートになります。音の洪水に圧倒されること請け合いです。

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市原 愛(ソプラノ)

―― 楽しみですね。続いて9月30日開催、第109回定期演奏会「これぞ王道の中の王道プログラム」

Nさん オーケストラ“いいとこ取り”のプログラムです。まず「フィンガルの洞窟」は、スコットランドの近くに実在する不気味な洞窟で、その付近の印象を音楽にしたものです。下の写真を見てください。

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フィンガルの洞窟

―― 確かに不気味ですね。見事な柱状節理です。

Nさん ワーグナーはこの音楽を聴いて、「メンデルスゾーンは一流の風景画家だ」と言ったそうですよ。圧倒的な表現力に注目です。
2曲目ベートーヴェンの「皇帝」は、この世の協奏曲の中で、最も豪華絢爛でエレガントな作品のひとつ。スティーヴン・ハフのピアノにぜひ包み込まれてください。

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スティーヴン・ハフ(ピアノ) ©Sim Canetty-Clarke

Nさん 最後はブラームスの交響曲第1番。構想から完成までになんと21年!「偉大なるベートーヴェンの後に、何を書けば良いのか?」と苦悩し続けた末に生まれたこの作品は、至るところにベートーヴェンへのオマージュとも思える特色が隠されています。例えば第1楽章には「タタタ・タ」というベートーヴェンの“運命”と同じリズムを織り込んでいることや、勝利の第4楽章の主要主題には、ベートーヴェンの交響曲第9番“歓喜の歌”の旋律との類似があります。その辺を予習してから来ると俄然楽しめますね。

―― おもしろいですね。第1番は完成に21年かかったそうですが、第2番はどれくらいの時間で完成したのですか?

Nさん 3ヶ月です。呪縛から解き放たれたのでしょうね。いい曲なんですよ第2番、ぜひ聴いてみてください。

―― 次にまいりましょう。11月4日開催、第110回定期演奏会「どちらもメイン!交響楽の最高峰2曲演奏」

榎本さん このお正月、箱根駅伝はご覧になりました?上位のチームは選手の力を引き出す名監督がいますよね。名チームには名監督あり。オーケストラも一緒で、どんなに楽団員一人ひとりの能力が高くても、指揮者がダメなら十分に力を発揮することはできません。

我らが東京交響楽団の音楽監督、ジョナサン・ノットさん。昨年12月の公演でもオーケストラを燃え立たせ、素晴らしかったです。ノットさんが指揮すると東京交響楽団が燃えに燃える。来シーズン、彼が指揮する唯一の新潟公演が、この第110回になります。

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ジョナサン・ノット(指揮)

―― 曲はロマンティシズムあふれる大曲が2曲。

榎本さん ブラームスが40代後半の全盛期に作曲したピアノ協奏曲第2番と、過去しか見ていなかった作曲家ラフマニノフのメロディの美しさが、これまた洪水のように押し寄せてくる交響曲第2番。音楽監督ジョナサン・ノットが、皆様を交響楽の真髄にご案内いたします。

―― 次にまいりましょう。12月2日開催、第111回定期演奏会「ついに来た!飯守泰次郎が振るワーグナー」

榎本さん おっと、安心していたら次も私ですね。第111回ではワーグナーに陶酔していただきましょう。

この公演も指揮者が重要なんです。世界中のワーグナー・ファンが聖地とあがめるのがドイツ北部のバイロイト。ここで開かれるバイロイト音楽祭と言えば、ワーグナー自身が自分の作品を上演するために始めた音楽祭です。ワーグナーの、ワーグナーによる、世界中のワーグナー・ファンのための音楽祭というわけ。だから演奏する側も世界超一流の音楽家が集まります。

その音楽祭で1970年から長年、音楽スタッフとして数々の巨匠たちと一緒に仕事をしてきたのが、指揮者の飯守泰次郎です。聖地から直輸入の響きで、ワーグナー特有のねっとりとした陶酔で、皆様の心を押し流してさしあげましょう。

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飯守泰次郎(指揮)

―― いよいよ最後の回です。2019年3月31日開催、第112回定期演奏会「年に一度は聴きたい、ベートーヴェンの名曲2曲」

Nさん まだ1年以上先のコンサートですが、「最近元気がない」「落ち込み気味だ」「困難や苦労に打ち勝てない」という方にこそ来ていただきたい公演です。というのもベートーヴェン自身が不可能とも思える艱難辛苦、作曲家としては致命的な耳が聴こえない状態に打ち勝っているので、そのすべてのエネルギーがベートーヴェンの音楽には秘められているからです。
指揮者高関健と東京交響楽団による、全身全霊をかけた極めつけの2曲「運命」「田園」の演奏を聴いて、自分を奮い立たせていただきたい。

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高関 健(指揮)

―― 首都圏のオーケストラが地方で100回以上の定期演奏会を行うのは、他に類を見ません。

榎本さん 新潟だけですね。私たちりゅーとぴあのスタッフは東京に出かけた時、他のオーケストラのコンサートをよく聴くことがあって、私も昨年12月は東響の他2つのオーケストラを聴いてきました。東京交響楽団の一番良いところは、楽団員がお互いに寄り添って一緒に音楽を作ろうとしているところ。音に人間のぬくもりを感じます。そんな東京交響楽団が提携先で良かったと心から思いますし、新潟は幸せだなあと思います。

―― 2018年度、全6回のコンサートをすべて聴きたいという方には、1/27(土)から募集が始まる定期会員にお申し込みいただきたいですね。

Nさん 定期会員になると、毎回自分専用の席で楽しめます。さらに+αとして、「N響」「神尾真由子&ミロスラフ・クルティシェフ」「シャルル・リシャール=アムラン」の3つの音楽公演ご招待がついて、料金が最大約33%オフ。すべてのチケットは無料で郵送します。

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NHK交響楽団

―― 毎年充実の内容ですが、今年は特に大盤振る舞いですね。どうしてですか?

Nさん りゅーとぴあは20周年ですからね。当館の成人式をみんなで祝いたいと思います。

榎本さん ぜひ定期会員になっていただいて、全6回、それぞれ違う輝きの宝石のような演奏会を楽しんでください。

―― ありがとうございました。

 

1/27(土)募集開始!2018年度定期会員の詳細はこちら。
https://www.ryutopia.or.jp/performance/membership/#pl2

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