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能楽事業

市民の要望で建設された能楽堂。年間を通じ多彩な公演と講座を開催

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舞台背後の中庭も取り込める造り

りゅーとぴあの能楽堂はヒノキ床の舞台に桧皮葺(ひわだぶ)きの屋根という伝統的な形式で、屋根が上部の闇に溶け込むシンプルなデザイン。舞台背後の鏡板と、橋掛かりの羽目戸は可動式で、竹林の中庭を背景にしたスペースのしつらえが可能となっています。中庭には照明も設置。夜の公演では薪能の雰囲気も漂います。楽屋は水屋を備え、正式な茶会に利用できます。

りゅーとぴあの建設にあたり、多くの市民から要望があり、能楽堂が設置されました。新潟市は江戸時代より北前船の寄港地として栄え、新潟総鎮守の白山神社祭礼で能が奉納され、明治以降も庶民の間で能の稽古が盛んに行われるなど、能楽を愛好する素地があったことが要望の根底にあります。

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質の高い能楽公演を地域に提供

1998年の開館以来、人間国宝をはじめ一線で活躍する能楽師による質の高い能楽公演を毎年欠かさず実施。地域の人々が日本文化の神髄ともいえる能楽に触れる機会を提供してきました。
春と秋の能楽鑑賞会では、新潟に縁の深い観世流と宝生流による演能を開催。能と狂言のほか、仕舞や舞囃子など、地方で本格的な能楽を鑑賞できる貴重な公演です。
企画公演では、四季の自然に恵まれた立地と、鏡板を外すと竹林を背景にした上演が可能など、りゅーとぴあの能楽堂の特長を活かし、「雪見能」をはじめとするサイトスペシフィックな公演を実施し、市外からの集客も生み出してきました。
歌人・馬場あき子氏の新作能の上演、お客さまの投票で選ばれた演目を上演する「リクエスト能」など、能の新たな魅力を発信する企画にも積極的。「能楽堂で楽しむ日本の四季」企画では、「秋の夜長」や「雛祭り」をテーマにした能楽公演を行い、「能楽堂で日本の伝統文化と新潟の四季を体験できる」と好評です。
さらに、国立能楽堂など他の能楽堂や能楽関係団体と連携を図り、新作能の上演にも果敢に取り組み、初心者にも分かりやすい能楽講座や体験ワークショップなど、さまざまな普及事業により、能楽の普及と新たな観客開拓に努めています。

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総来場者数4万人以上の実績

お客さまからは公演や催し後にさまざまな感想が寄せられます。一部紹介します。

2022年「能楽堂で楽しむ十五夜」公演

  • 「人生で初めて能を見ました。テレビCMで見て興味を持ち、母と見に行きました。表情や所作を間近で見ることができて感動しました!能から刺激をもらえてうれしかったです」
  • 「解説があって良かった(もっと聞きたかった)。同時に映像で見たい。コンテンポラリーダンスとも合いそうです」
  • 「体験コーナーも良かった。全部楽しめました。鏡板ではなく竹林がドラマチックだった」
  • 「今回初めて鏡板を外した場を見ました。風の動きで竹がソヨソヨと動いて大変美しく感じました」
  • 「初めて能の演目を見させていただきました。説明から入ったので分かりやすかったです。声とか発声がすごいなぁと思いました。十五夜の前夜、いい思い出になりました」

2022年「お能ワークショップ~お能でリフレッシュ!~」

  • 「優しく楽しく学べました。参加できて心から良かったです。能にさらに興味が湧きました」
  • 「舞台からの眺めは初体験で気持ち良かったです。先生のお話も大変分かりやすかったです」
  • 「りゅーとぴあならではの催しだと感じております。今後も心待ちにしております。貴重な機会をありがとうございました」
  • 「貴重な能面や装束が間近で見られて、仕舞や謡も体験できてよかった。能舞台はいつ来ても気持ちがよいと思いました」
  • 「楽しかったです。丁寧なご指導ありがとうございました。能に関心が持てました」

公演前の解説や能楽体験、りゅーとぴあならでは能楽堂の造りなどがご評価いただき、能楽への興味・関心を呼び起こし、新たなお客さまの開拓にもつながっていることが成果と言えます。

これまでの総来場者数はおよそ4万人以上。能楽堂は満席で387席であることを考えると、いかに多くの能楽公演を実施し、ファンの期待に応え続けてきたかが分かります。
また開館以来りゅーとぴあを訪れた能楽師はおよそ2,500人。首都圏の第一線で活躍する能楽師が優れた芸を届けてきたことは、新潟の豊かな能楽文化に貢献したに違いありません。

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時代に即した能楽公演や催しを続ける

これからも県内外の能楽愛好者はもちろん、能楽を見る機会のなかった潜在的な観客層にもアピールできる企画を計画しています。字幕タブレットや英語あらすじの配布なども継続して実施し、多様な人々が日本の伝統芸能に親しめる機会を提供していきたいと思います。
2023年10月に迎える開館25周年を記念し、秋と冬は開館記念特別公演を開催。新潟の子どもから能楽愛好者まで、りゅーとぴあの能楽堂が日本の伝統芸能に出合う場になり、能楽が新潟市民の日常にも浸透することを今後も目指します。

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