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Special interview 山縣 美季さん(中編) – 「絶望の中学時代だったと思います」

静かな闘志を燃やしながら、ピアノに妥協しない姿勢をみせる山縣美季さん。なかなか結果を出せない時期がありました。中学時代から高校時代への変化を感じるロングインタビュー<中編>、山縣さんの過去に迫ります。

こちらのインタビューは、前編・中編・後編の<中編>です。

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苦悩の中学時代 ―人と比べてばかりで自分を見ていなかった

――中学時代は悩まれたそうですね。そこから抜け出せたきっかけは?

同じ門下に同い年の女の子が入ってきて、同じ音楽コンクールを受け続けていたのですが、その子が一位なら私が二位、その子は全国に行けるけど私は行けない、ずっと後ろを追っていました。

当時はコンクールの結果をすごく気にしてしまい、本当にその子を尊敬して自分より演奏が上手なのを分かっていたので、どうしても自分と人を比べてしまっていたんです。自分の演奏のどこが悪いかも見ていないのに、結果が出ないことにがっかりして投げやりになった時期でした。

ただ、投げやりになりつつも、ピアノをやめることはありませんでした。音楽科のある高校を受験するか悩んでいた時期に、母が「辛かったら一般の高校に行ってもいいんだよ」ってずっと言ってくれていたのですが、そう言われると「なんでそんなことを言うの!」「こっちは頑張ってるのに!」って思ったりして(笑)。気の強さが功を奏して苦しい時期を乗り越えられました。

音楽に向き合ってから、少しずつ私が変わっていきました。

――東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校に進学しましたね。

高校に入ってからは音楽が楽しいことに気が付いて、途切れることなく思いが増した3年間でした。自分の音楽と向き合うようになってから結果もついてくるようになって。高校3年生のかながわ音楽コンクールで一位をいただいた頃から自分の中で手ごたえが出てきて、向き合ってきた成果が出てくるようになりました。

高校に入ってからは、少しずつ人と比べずに自分を見つめて進んできました。考えが変化したのも、その苦しい時期があったからこそかと思います。

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――コンクールに出場するときに、大切にされていることは。

高校時代の師匠である東先生の「前進し続ければ必ず道は開けてくる」という言葉が今でも好きです。いくらやってもうまくならない時期に、とにかくやるしかないんだと背中を押していただきました。気が滅入ってきたときは毎回思い出して、この道を進んでいくしかないんだと自分に言い聞かせています。

私はこれからもたくさん挫折していくんだろうなと思います。もし今音楽で悩んでいる方に声を掛けるとしたら、「好きだったら続けてほしい」ですね。「もう嫌だ、絶対にやめてやる!」って思っていないのであれば、迷っているだけかもしれない。続けていれば音楽の魅力を再発見できる日が来ると思います。

 

自分を見つめることによって、さらに前進した山縣さん。日本音楽コンクールやピティナ・ピアノコンペティションへ挑戦し、さらなる飛躍に向けて進化し続ける山縣さんのりゅーとぴあでのプログラムや、音楽活動について深堀したロングインタビュー<後編>、お見逃しなく!

後編につづく―

 

公演詳細

りゅーとぴあ会員限定コンサートVol.5
山縣 美季 ピアノ・リサイタル
~ピティナ特級入賞&日本音楽コンクール優勝!シャネルも支援する20歳の俊英~

2022年8月26日(金)19:00開演
全席指定 2,000円

チケット好評発売中!

※こちらの公演は「N-PAC mate 友の会フレンズ(入会金0円・年会費2,750円税込)」と「インターネット会員(入会金・年会費無料)」に入会/登録した方のみチケット購入ができます。
ご入会・ご登録の詳細はこちらをご覧ください。

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