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真の音楽家 津田裕也

2011年に「ミュンヘン国際コンクール」特別賞を受賞し、一躍その名を世界へと轟かせた津田裕也さん。さらに昨年は、りゅーとぴあで開催された驚異の企画「ベートーヴェン・ヴァイオリン・ソナタ全曲演奏会」においてカリスマ・ヴァイオリニストの石田泰尚さんと共演し、新潟の聴衆を大いに魅了しました。そんな津田さんが、12月22日(木)にりゅーとぴあ・コンサートホールでピアノ・リサイタルを開催するにあたり、15年前から津田さんのことをよく知る広報スタッフがコラムを書きました。

真の音楽家 津田裕也の画像

(c)Christine Fiedler

15年前のある日、1本の電話が。

今から15年前のある日。私が信頼を寄せる音楽事務所のマネージャーから1本の電話がありました。「将来楽しみなピアニストが、ついに仙台国際コンクールで優勝したんです!ぜひ一度聴いて欲しい!」と。何を隠そう、これが津田裕也さんでした。しかし当時の津田さんはCDをリリースしておらず、音源さえ聴くことができなかったので、ピアノ・リサイタルでの招聘は断念。代わりに2009年に企画した、松山冴花さんのヴァイオリン・リサイタルにおける共演をお願いしました。

真の音楽家 津田裕也の画像2009年5月15日(金)「りゅーとぴあ・プライムクラシック1500」 Vol.5
ヴァイオリン:松山冴花 ピアノ:津田裕也

特筆すべきは、卓越したテクニック。

実際にお会いしてみると、実に感じの良い青年です。でも少し線が細いかな?という印象を持ちました。しかしリハーサルが始まってびっくり。充分に繊細ではありますが、ベートーヴェンの「スプリング・ソナタ」にしてもフランクの「ヴァイオリン・ソナタ」にしても、実に堂々とした演奏。中でも特筆すべきは、卓越したテクニック。自在な打鍵と絶妙なペダルコントロールにより、信じられないくらい多くの種類の音を次から次へと繰り出すのです。強弱や微妙なニュアンスはおろか、倍音さえも完璧にコントロールしているようで、神の域かと思うほど。終演後すぐに「次はピアノ・リサイタルを!」とお願いしたのは言うまでもありません。(お互いの都合もあり、ピアノ・リサイタルは3年後の2012年に実現)

真の音楽家 津田裕也の画像2012年6月15日(金)「りゅーとぴあ・プライムクラシック1500」 Vol.11
ピアノ:津田裕也

その後の活躍と、多くの著名なアーティストたちからの厚い信頼。

その後の津田さんの活躍は、枚挙に暇がありません。2011年にベルリン芸術大学を最優秀の成績で卒業し、ドイツ国家演奏家資格を取得。同年には、めったに1位を出さないことから“世界最難関のコンクール”とも言われる「ミュンヘン国際コンクール」において特別賞を受賞。一躍、津田裕也の名を世界へと轟かせました。

また津田さんと言えば、多くの著名なアーティストたちが厚い信頼を寄せることでも有名です。中でもカリスマ・ヴァイオリニストとして知られる石田泰尚さんは、「津田先生は、音がキラキラしていて美しい」と大絶賛しており、横浜と新潟だけで開催された伝説の企画(1日でベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ全曲を弾く)「ベートーヴェン・ヴァイオリン・ソナタ全曲演奏会」では、津田さんとの共演によりこの偉業を達成されました。ちなみに石田さんが年下の音楽家に「○○先生」と付けるのは、最大限の敬意だそうです。

真の音楽家 津田裕也の画像2021年9月23日(木・祝)石田泰尚(ヴァイオリン)×津田裕也(ピアノ) 
ベートーヴェン・ヴァイオリン・ソナタ 全曲演奏会

自然で純度の高い演奏をするピアニスト。

そんな津田裕也さんが、モーツァルトの「きらきら星変奏曲」、ベートーヴェンの「月光」、ショパンの「幻想即興曲」、ノクターン第20番「遺作」、ポロネーズ第7番「幻想」などの超名曲と共に再びりゅーとぴあへ帰ってきます。どんなに優れたピアニストでも、アッチェレランド(次第に速く)のかかる複雑な音型では音がこもりがちですが、津田さんの演奏はその総てが驚くほどクリアーに聴こえてきます。こんな経験、YouTubeで聴いたホロヴィッツ以来、実演では初めてでした。有名曲のオンパレードである今回は、そんな津田さんのヴィルトゥオーソぶりも存分にご堪能いただけるはずです。

理想の音楽を追い求め、自然で純度の高い演奏をするピアニスト、それが津田裕也さんです。21世紀を代表するピアニストであり、真の音楽家であると私は断言します。ぜひりゅーとぴあで、究極の美音をご体感ください。

元音楽スタッフ 現広報スタッフ N

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