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舞台は桜満開の京都、清水寺

舞台は桜満開の京都、清水寺の画像

―― 演劇企画課のKさんにお話しをお聞きします。Kさん、この冬の新潟は雪がすごかったですね。

Kさん あの頃は、「もう春は二度と来ない、このまま永遠に雪に埋もれて暮らすんだ」と暗い気持ちになっていました(笑)。でも、やっと暖かくなってきてうれしいです。

―― 冬があるから春を喜ぶことができますね。さて、毎年この季節、イケメン能楽師4人組による能楽講座の第一回目が行われます。

Kさん 「若手能楽師に聞く 能の楽しみ」ですね。いよいよ4月から新シリーズのスタートです。能の「知りたい、わからない」に実演付きでお答えする人気の講座、今年のテーマは「修羅能の光と影」です。…修羅能(しゅらのう)って何か分かります?

―― なんでしょう。私たちの日常では、「修羅場(しゅらば)」という言葉がありますが、何か関係が?

Kさん あります、あります。阿修羅(あしゅら)という戦いの神様が語源で、修羅とは「戦い」「争い」を意味します。修羅場は「争いの場」の意味ですね。

そして修羅能とは、武将が主人公の能のことです。武士は生前の殺生の罪で、死後は争いの絶えない「修羅道」に落ちて苦しみ続けると考えられていました。

―― 武士は死んでも苦しむ。キツイですね。

Kさん そうですね。だから争いはやめなさい、という意味なのだと思います。修羅能は名作が多いのですが、実は今年の講座は2回開催なので、わかりやすく「勝ち/負け」で行こうとなりました。

―― 4月の第1回が勝った側の能で、11月の第2回が負けた側の能ですね。

Kさん はい。勝修羅(かちしゅら)、負修羅(まけしゅら)と言われます。「もともと修羅能は負けた武士の能だから、負修羅という言葉は正しくない」という能楽師の指摘もありましたが、ナビゲーターの梅内美華子さんが「修羅能の光と影」、という歌人らしい素敵なテーマを提案してくれました。

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梅内美華子さん(歌人)

―― ちなみに勝修羅と負修羅、どちらの能が数が多いのですか?同じくらい?

Kさん いいえ。実は勝修羅は3つしかありません。4月に行う能「田村」は貴重な勝修羅のひとつ。しかも、舞台は桜満開の京の清水寺です。春の講座なので、勝ちでおめでたく、さらに華やかな作品にしようと選びました。

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能「田村」

―― 毎回ゲストが来られます。今回は。

Kさん 若手狂言師の山本則秀さんです。山本家は質実剛健な芸で知られる狂言の名家です。第2回のゲスト、狂言師・和泉流の三宅近成さんとの芸の違いを見比べるのも楽しみの一つです。

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山本則秀さん

―― 改めて見どころを教えてください。

Kさん まずこの講座では、能の中で迷子になることがありません。歌人の梅内美華子さんが能のストーリーや背景をわかりやすくお話し、能の進行にあわせて実演が行われます。

能面や美しい能の衣装は能の魅力の一つですが、この講座では着付けを実演しながら、能装束について丁寧にご紹介します。それも見どころの一つです。

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着付けを実演しながら能装束を解説

―― りゅーとぴあの能のイベントの中で、最も初心者に優しい企画ですよね。能に興味があるという方は、まずこちらをチェックしてほしいです。若い人にもオススメ!

Kさん 値段も手頃な2,500円です。今ならお得な2回シリーズ通し券(5,000円のところ→4,500円)もお求めいただけます。

4人の若き能楽師が一生懸命な姿に心を打たれ、清々しさを感じる講座です。日本文化の誇りを世に広めようと奔走する姿をご覧いただき、エールを送ってください。

―― ありがとうございました。

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