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Special interview 横坂 源(前編)ーりゅーとぴあでの演奏が、僕のソリストとしての根源です。

新潟市出身で、国内外で活躍するチェリスト・横坂源さん。当館からの強い要望に応え、2023年1月28日(土)に無伴奏チェロ・リサイタルを開催します。今回、横坂源さんの過去・現在・未来を辿るボリューミーなインタビューをお届け!前編では、コロナ禍になってからの演奏活動、チェロをはじめたきっかけについてお伝えします。

Special interview 横坂 源(前編)ーりゅーとぴあでの演奏が、僕のソリストとしての根源です。の画像

――2019年に活動20周年を迎えました。その後3年が経ち、最近までどのようにお過ごしでしたか?

東京交響楽団の皆さんとコンチェルトを演奏して、「これからいくぞ!」という時にコロナ禍に突入してしまいました…。2020年9月頃まではコンサートも中止や延期になりましたが、コロナ禍で「自分には何ができるか」にスポットを当て、気持ちを切り替えて次の準備をしていました。

少しずつコンサートが実現できるような状況をホールの方々が試行錯誤して作ってくださったので、今はコロナ前に近い状況で活動しています。

 

――2021年5月にはりゅーとぴあで「東京グランド・ソロイスツ with 横坂源」にゲスト出演していただきました。満席に近いお客様がご来場されましたが、何か印象に残ったことや、共演したアーティストとのエピソードがあればお聞かせください。

久しぶりの新潟で、沢山のお客様にお越しいただき、拍手がすごく温かかった印象があります。バンドネオンの三浦一馬さんとは、めぐろパーシモンホールでアンコールのみ一緒に演奏させていただいたのが最初の共演でした。

実はこれまでオール・ピアソラ・プログラムで演奏する機会がなかったので、とても楽しく演奏できました。特に、共演したアーティストの皆さんが“その瞬間にしか生まれない音楽”に集中して演奏していたので、それぞれの演奏が上手く合った瞬間が心地よく、皆さんと目を合わせてつい笑顔になってしまうくらい、即興的なパフォーマンスがとても楽しかったですね。

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2021年5月2日「東京グランド・ソロイスツ with 横坂源」出演時のようす

一緒に遊んだ大学生のお兄さんみたいになりたくて、チェロをはじめました

――4歳くらいからチェロを始めたと伺いました。

父親に「大きい楽器がやってみたい」と自分から頼んだのを覚えています。父親が大学で音楽学を教えていることもあって、幼少期から周りにピアノや弦楽器を演奏する方がいる環境でした。父親の仲間に遊んでもらっていたのですが、チェロをやっていた大学生のお兄さんによく相手をしてもらっていたので、そのお兄さんみたいになりたいと思ったのがきっかけでした。

 

――初めてりゅーとぴあコンサートホールのステージに立ったのは中学校1年生の時でした。その時のりゅーとぴあの印象やステージでの思い出などありましたらお聞かせください。

発表会で音楽文化会館や県民会館に訪れたことはありましたが、りゅーとぴあという新しいホールができて、その規模にびっくりした記憶があります。

自分にとっては、ステージの形やお客様に囲まれている感じがすごく新鮮でしたし、そこで初めて、サン=サーンスのチェロ協奏曲第1番の第1楽章を東京交響楽団の皆さんと一緒に演奏をさせていただいた時の響きが本当に心地よかった感覚が残っています。その経験が、「ソリストとしてやっていきたいな」と思ったきっかけとなりました。

 

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2005年12月9日りゅーとぴあ・1コイン・コンサート~ランチタイム・コンサート~ Vol.21「新潟発若き才能“チェロ”」出演時のサイン会

 

――13歳でプロのオーケストラと共演というのはどんな心持ちだったのでしょうか。

当時はまだ子どもだったので今とは緊張の種類も違いますが、シンプルに「練習したことを出したい」という気持ちで、集中して演奏することができました。自分の演奏をオーケストラと合せて気持ちいいとか、かっこいいとか、こんな音色で弾いてみたいという思いもありました。

指揮の秋山和慶さんが音楽を一緒に作ってくださいましたが、具体的な指示はなかったと思います。後ろからオーケストラのサウンドが背中を押すように来て、その音に乗りながら、自分の音を加えていき、それがホールに響いて浸透していく。この一連の流れが日常では味わえない感覚で、「音楽にはこういう世界があるんだ!」と印象に残っています。

 

――中学1年生の時にそのような体験をし、高校は桐朋女子高等学校音楽科(男女共学)に進学されました。音楽の道に進むことに迷いや不安はなかったのでしょうか?

実は、新潟から東京に出ることにイメージがしづらく、当時は中学の友達と地元の高校に行きたいという気持ちが強かったです。ですが、当時師事した毛利伯郎先生が「高校から音楽の道に進んでできた友達っていうのは一生の友達だし、君が音楽が本当に好きなら、東京の高校に行って、新しい環境の中で生活することが凄く大事なことなんだよ」と言ってくださって、進学することを決心しました。

ただ、決心がかなり遅かったので、中学生の最後の時期は、急いで聴音やソルフェージュを猛勉強した記憶があります。なんとか滑り込みで入学し高校生活が始まるといった感じでした。

高校生活の最初の頃は、友達と遊ぶのが本当に楽しくて、遊び惚けている時間もありましたが、自分は目標が定まると集中できるタイプなので、少しずつコンサートでの演奏機会をいただき、それに向かって練習していくという高校生活を送っていました。

 

後編に続きます――

公演詳細

りゅーとぴあ会員限定コンサートVol.6
Vol.6 横坂 源 無伴奏チェロ・リサイタル

~故郷新潟初!オール・バッハ・プログラムに挑む~

2023年1月28日(土)14:00開演
全席指定3,000円

チケット好評発売中!

※こちらの公演は「N-PAC mate 友の会フレンズ(入会金0円・年会費2,750円税込)」と「インターネット会員(入会金・年会費無料)」に入会/登録した方のみチケット購入ができます。
ご入会・ご登録の詳細はこちらをご覧ください。

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