りゅーとぴあ能楽堂シェイクスピア シリーズ




新潟の地と能楽堂は、なぜ、シェイクスピア演劇と相性がいいのか?
新潟といえば、品質の良い米の産地として、全国的に有名である。新潟産の米はシェイクピア演劇と同様に広く人々に愛され親しまれている。実りある米を収穫するためには、古くから儀式が不可欠であった。そもそも能楽とは、「月次風俗図屏風」の田植図に見られるように、五穀豊穣を祈る儀式から発展した芸術である。古くから米の産地として知られる新潟の地に能楽が根付いてきたのも、うなずける話である。

では、なぜ能楽堂の空間にシェイクスピア劇なのか?
それはシェイクピア劇が儀式化するにふさわしい戯曲であるからである。リアリズム演出では捉えることの出来ないイマジネーションあふれるこの大虚構の演劇は、儀式化することによって、見事にその輪郭を表し、観るものの精神を浄化していくのである。

シェイクスピア演劇が儀式化、様式化することによって多面的に、かつ豊かにその姿を現す戯曲であるならば、それが行なわれる空間、つまり、本来儀式の場である能楽堂がもっともふさわしい空間といえるのではなかろうか。
能楽堂シェイクピアシリーズでは、これまで「マクベス」「リア王」「冬物語」の三作品を上演してきた。これらに共通しているオリジナル性は、すべて儀式としての上演スタイルである。儀式であるからして、それを司る人知を超えた目に見えないもの、神あるいは悪魔、または道化、妖精などの目を持って創造するという試みである。マクベスでは三人の魔女の目を持って「眠りの儀式」。リア王ではリア自身の影の目を持って「ゼロの儀式」。そして、冬物語では言霊の目を持って「時の再生のための儀式」といった具合である。 能楽堂シェイクスピアシリーズ第四弾として発表するオセローは「嫉妬が生み出す呪いの儀式」である。恋を失い自らの命を絶った少女バーバリーの魂は呪いとなってジプシー女が染め上げた「イチゴの刺繍のハンカチ」に憑依し、嫉妬という形をとって悲劇を生み出す。おそらく、このオセローの解釈は世界でも類を見ない演出の試みであろう。このような試みこそ、儀式化が生み出す独創的な産物なのである。

演出 栗田芳宏  






ストーリー

黒い肌のムーア人将軍オセローは、ヴェニス元老院議員の娘デズデモーナと秘密婚をとげる。

ブラバンジョーは裁きを求め公爵の前にオセローを引き出すが、公爵はその訴えを取り下げ、ヴェニスの所領キプロス島に向かうトルコ軍との戦いをオセローに命じる

希望していた副官の地位を奪われたオセローの部下、イアゴーは、恨みから一計を案じ、デズデモーナが副官と浮気をしているとオセローに信じさせようとする。
そしてデステモーナのハンカチーフを手に入れようと企むが、それはオセローがデステモーナに初めて贈った特別な品であった・・・。

トルコ軍との戦場となるキプロス島を舞台に、二人の純粋な愛が、嫉妬の毒によって破滅してく様を描くシェイクスピア四大悲劇に数えられる純愛悲劇。




キャスト/スタッフ

出演/谷田 歩、市川喜之助、山賀晴代、河内大和、荒井和真
栗田芳宏、横山道子、田島真弓
横山 愛、塚野夢美、住田 彩、塚野星美
植本潤
市川笑也


ウィリアム・シェイクスピア
翻訳 松岡和子
構成・演出 栗田芳宏
衣裳 時広真吾(リリック)
製作 りゅーとぴあ(新潟市民芸術文化会館)
制作協力 松竹株式会社 株式会社おもだか
主催 (財)新潟市芸術文化振興財団




公演情報



新潟公演:りゅーとぴあ能楽堂
2006年8月22日(火)〜26日(土)
主催 (財)新潟市芸術文化振興財団

東京公演:梅若能楽学院会館
2006年8月28日(月)〜31日(木)
主催 (財)新潟市芸術文化振興財団





様々な方からコメントをお寄せいただきました!!

新潟市/大関明希さん
私は「リア王」「マクベス」「冬物語」を見てきたので今回の「オセロー」をとても楽しみにしていました。中学生は私だけだったかわかりませんが、私もとても楽しむことができました。

福岡市/山口さん
予想以上にすばらしいものでした。涙でいっぱいで言葉になりません。感動、興奮、スリル、美しさ、ユーモア、音の響き、すべてが一体となりこのような公演は見たことがありません。

東京都/石原祐児さん
すばらしいシェイクスピアでした。こんなの観たことなかった。

東京都/兵頭むつみさん
元々、市川笑也さんのファンでこの舞台を知りました。すごく見やすい舞台であっという間に引き込まれました。すべてが斬新で特に衣裳の華やかさにひかれました。次回も必ず観ます!

東京都/飯島千恵さん
ストーリーの展開と音楽がすばらしくあっていました。緊張感のある空間に凛とした太鼓の音がよかったです。出演者の方たちの情熱が非常に感じられました。それぞれの登場人物の感情の変化がわかりやすく3時間があっという間に感じられました。衣裳もとても雰囲気があって素敵でした。

東京都/八牧百合子さん
ものすごいセリフの量に圧倒されました。能舞台がこれほど話にとけこんでいるとは思いませんでした。イアゴー役の植本さんも目が離せませんでした。太鼓の4名とても良かったです。悪霊の役の方とても澄んだ歌声に聞きほれてしまいました。

神奈川県/渋谷明美さん
悪霊と呼ばれはしたが、かわいそうな魂が終始ひっそりとその場を大きく包んでいるようでおもしろいと思いました。