若手能楽師４人組による能楽講座のスペシャル版として、能を上演します。
草木が芽吹く春のように若々しいエネルギーにあふれた舞台をご期待ください！

“10年分の想い”ついに結実

若手能楽師4人組が、平成18年に歌人・馬場あき子さんと師匠の塩津哲生さんの講座でりゅーとぴあに登場してから10年。すでに多くの舞台で活躍する能楽師に成長しました。「いつか、りゅーとぴあで能を」と語っていた彼らの夢が遂に実現します。10年分の想いと若々しいエネルギーにあふれた公演をご期待ください。

能「殺生石（せっしょうせき）」白頭（喜多流）
佐々木多門

おはなし 「妖狐の化身の美女」
梅内美華子（歌人）
　

美女の正体は妖狐！
巨大な石が割れるダイナミックな演出に注目！

僧・玄翁（げんのう）が那須野の原で、巨石の上を飛ぶ鳥が落ちるのを目撃します。そこに女が現れ、昔、妖怪の正体を見破られた玉藻前（たまものまえ）という美女が殺され、その魂が近づく生き物を殺す殺生石になったと語ります。女は自分がその石の魂だと言い、石の中に隠れます。玄翁が殺生石で仏事を営んでいると、石が二つに割れ、妖怪の野干（やかん…狐）が現れます。野干は、天竺（てんじく）・唐・日本の三国にわたって悪事をはたらいたが、玄翁による供養で回心したと言い、消え失せます。

「殺生石　白頭」 大島輝久

仕舞「高砂」　塩津圭介
仕舞「田村」 キリ　友枝真也
仕舞「羽衣」 キリ　大島輝久
仕舞「玉之段」　塩津哲生
能「殺生石」　佐々木多門

主な出演者

佐々木 多門　Tamon Sasaki

シテ方喜多流能楽師。1972年生。
喜多流能楽師・佐々木宗生の長男。
塩津哲生に師事。

大島 輝久　Teruhisa Oshima

シテ方喜多流能楽師。1976年生。
喜多流能楽師・大島政允の長男。
祖父・大島久見、父及び塩津哲生に師事。

友枝 真也　Shinya Tomoeda

シテ方喜多流能楽師。1969年生。
喜多流能楽師・故友枝喜久夫の孫。
友枝昭世及び塩津哲生に師事。

塩津 圭介　Keisuke Shiotsu

シテ方喜多流能楽師。1984年生。
喜多流能楽師・塩津哲生の長男。
父・塩津哲生に師事。

梅内 美華子　Mikako Umenai

歌人。1970年生。馬場あき子に師事。1991年角川短歌賞。2001年『若月祭』で現代短歌新人賞。2012年『エクウス』で芸術選奨新人賞及び葛原妙子賞。「あぢさゐの夜」で短歌研究賞受賞。2016年中城ふみ子賞選者。

「能」って？

能は、オペラやミュージカルのように、音楽・芝居・舞踊の要素をすべて含んだ、日本が世界に誇る総合芸術です。無駄がなく極限までシンプルに表現されるそのスタイルは、世界にもあまり例を見ません。