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金巻屋社長インタビュー「お菓子で希望をつくりたい」【後編】

この記事は、金巻屋社長インタビュー「お菓子で希望をつくりたい」【前編】のつづきです。

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今年初め、「【日本全国能楽キャラバン!】宝生流特別公演~高砂~」来場者全員プレゼントの和菓子を製作していただいた、新潟・上古町の老舗「美豆伎庵 金巻屋(みずきあん かねまきや)」さん。社長の金巻栄作(かねまき えいさく)さんに製作秘話や公演の感想を伺いました。金巻屋店内でお話をきいていましたが、甘いものに目がないスタッフ、話がどんどん“お菓子な”方向へ…。

お囃子の忍耐力の凄まじさを感じました…。

スタッフO 当日は公演へのご来場もありがとうございました。もしよろしければ公演のご感想をお願いします。

金巻さん 以前に薪能を観たことがあって、その時はわりと遠くの席から観たんですよ。お能は今回3回目の鑑賞だったのですが、あんなに近くで観たのは初めてでした! それに今回は説明も事前に読んでいたので、お話もわかりやすかったですね。隣に座った例の知人が、字幕タブレットも持っていたので「こんなのがあるんだなぁ」と思いました。台数が限られていたそうで、私は借りられなかったけれど、ああやって観るとわかりやすいんだなということがわかりました。そしてまた、小鼓や大鼓の人たちがすごく大変ですね!同じテンポでずっと叩き続けて、手の皮はどうなっているんだろうと。忍耐といいますか…戦いですよね、自分との。集中力をずっと保たないとダメなんですから。

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アイディアの源泉―金巻社長が大切にしている想い

スタッフO 公演当日はロビーで金巻屋さんのお正月定番のお菓子販売もさせていただきました。すごく人気でしたね!(店内のお菓子を見ながら)こちらのどら焼きは完売でしたし…季節もののお菓子もそうですが、こういうアイディアはどこから思いつくのでしょうか?

金巻さん アイディアといいますか、受け継いできた基本的な製法をちょっとだけ応用して作ります。「季節のお菓子」では毎月5種類くらいのお菓子を作っていて、お正月や節分、お雛様、あと「お節句」と言われる男の子の節句や七夕から着想を得て3種類くらいオリジナルが入ります。お正月は6~7種類作りますね。

スタッフO お正月の生菓子は「高砂」公演でも販売させていただきましたね。あと、社長はいつも新しいものに挑戦していらっしゃるイメージがあります。コラボレーションも多いですよね。以前、地元の小学校と作った新作のお菓子も拝見しました。

金巻さん ええ、色々なところからお話をいただきまして。そういうことをやっていると、どこからともなく生まれるものもあって、それが楽しみでね。今、上古町では、「妖怪」にまつわる何かを作ろうという企画をしていまして。うちはお菓子屋なので妖怪のお菓子を、と思って作ったのがこの「甘のれん」です。

スタッフO かわいい~!

 

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金巻さん 甘い匂いや味で人を呼び寄せて、のれんの中でお菓子を食べさせてあげるという、やさしい妖怪なんです。考古堂書店さんでは「しおり」、ゲストハウスくくさんでは「妖怪ガチャ」ができる。くくさんは妖怪の部屋もあって(笑)

スタッフO えっ、気になります。ちょっとのぞいてみたいです(笑)。

金巻さん そういう方もいらっしゃいますよね(笑)。あとハナキクさんで「妖怪ハーブティー」。気持ちを癒してくれる優しい妖怪だそうです。ドクター可児さんでは「妖怪オムライス」。黒いソースで装飾されたオムライスで、ピアノの妖怪だそうです。あそこはストリートピアノが置いてありますから。オムライスには妖怪の旗も立てて、それも人気みたいです。

スタッフO 「妖怪」というテーマで大の大人が真剣に話し合っているのが良いですよね(笑)。

金巻さん ええ、本当に。今回も上古町で、みんな違う業種の人たちが集まって「どんな妖怪にする?」って。よく考えてみると、くだらないことを大人が話してますよね(笑)。でも、それが形になったのが甘のれんですからね。どこから何が生まれてくるかわからないですよね。

スタッフO あと…実は気になっていたポップがあるのですが…。

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金巻さん これは、和菓子屋さんのパンケーキです。越後姫の生クリームで中心に粒あん、もうひとつはほうじ茶キャラメルクリームにこしあんが入っています。「門前茶屋みずきあん」というのをやっていまして、土日は茶屋風にしてイートイン形式で、この店内でお菓子とドリンクをお客様にお出しするんですよ。

スタッフO 和菓子だけでなく、パンケーキも…!とってもおいしそうです!

金巻さん これはうちの息子(5代目)が色々と考えてやっていまして。やりたいと言った時にどんどん実現させたいなと。そうしないと機を逃すものですから。幸いうちは工場がすぐ裏手にありますから、作ったものをすぐお出しできるのでね。

スタッフO それでこういう「お茶屋さん」という形が生まれたんですね~。ところで、こちらの掛け軸は…?

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金巻さん 私の亡くなったお菓子の師匠が書いたものなんですけどね。これはもうずっとかけていますけど、「単なるお菓子も人間の真心から生まれ出るのだ」と書かれていて。「自分の可能性に惜しみなく挑戦したいものです」という文句も入っているので、ここに飾っています。こういうものを近くに置いておかないと、すぐズルをしたくなってしまいますのでね(笑)。

 

お菓子作りに真摯に、そして丁寧に向き合う金巻さん。ついつい長居してしまうお店の中には、社長がこれまで大切にしてきたものやこれからも大事にしていきたい想いがつまった素敵なお菓子がたくさんあります。季節の和菓子だけでなく、土日祝限定のパンケーキ、本格的なお抹茶や甘くてやさしい妖怪の「甘のれん」が待っています。3月13日(日)には茶道の大成者・千利休を描いた書き下ろしの新作能「利休」を上演!ぜひ、りゅーとぴあでの公演終わりには、上古町までちょっと足をのばしてみませんか?

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