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アウトリーチ登録アーティストのお二人に話を聞きました

アウトリーチ登録アーティストのお二人に話を聞きましたの画像
本間 優さん(ピアノ) 外山 裕介さん(ユーフォニアム)

 

―― よろしくお願いします。まずはお名前を教えてください。

本間さん りゅーとぴあアウトリーチ事業、第3期登録アーティストの本間 優(ほんまゆう)です。
外山さん 同じく第3期の外山 裕介(とやまゆうすけ)と申します。

―― ありがとうございます。「アウトリーチ」という言葉は、一般の方には耳馴染みがないと思うのですが、改めて説明をお願いできますか?

本間さん 「芸術の喜びを届けていく」という意味の言葉です。りゅーとぴあでは、私たちのような新潟市(および近郊)在住の音楽家と、市内外のさまざまな場所で生演奏を聴いていただく活動をしています。

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―― 本間さんはピアニストでいらっしゃいます。新潟市のご出身ですか?

本間さん 生まれは村上市ですが、6歳からずっと新潟市に住んでいます。ピアノは5歳から習い始めたのですが、その頃から「将来はピアノ教室をやる」と決めていました。ずっとピアノを仕事にすることを目指して勉強しているうちに、こうなりました(笑)。

―― アウトリーチ事業に参加した理由を教えてください。

本間さん 私は学生時代からさまざまなコンサートで演奏する機会をいただき、いつもお客様の誰もが楽しめるような内容を意識して、曲を選んだりトークの内容を考えたりしてきました。

でも、それがただの自己満足で終わってしまっているのではと、ある時ふと我に返って、すごく怖くなったんです。音楽家としての今後の人生を考えて、ここで一度新しいことに挑戦したい、コンサート作りのプロであるりゅーとぴあのスタッフと一緒に仕事をしてみたい、と思ってこの事業に応募しました。

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―― この1年間、どんなアウトリーチ活動をされていたのでしょうか。

本間さん 小学4年生を対象にした45分間の特別なプログラムを作りました。何を演奏するか、どんなタイミングでどんな曲を聴いてもらうか、小学生にどんな言葉や問いかけを発するか。細部まで吟味して作りこんだプログラムです。

この特別プログラムを携えて、市内の小学校を約15校ずつ訪問しました。4月から12月まで延べ38公演、合計約1,600人の小学生に生演奏をお届けしてきました。

―― 実際に小学校に行ってみて、どうでしたか。学校やクラスごとに反応が違いますか?

本間さん 最初は子どもたちが本当に私の演奏を聴いて楽しんでくれるか不安でした。実際に行ってみると、曲ごとに子どもたちの表情がコロコロ変わるのが分かって、すごく嬉しくなりました。それを直に見られるのは、至近距離で触れ合えるアウトリーチならではと思います。分かりやすく元気な学校もあれば、想いを内に秘めたところあり、学校それぞれ違いました。

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―― さて、ユーフォニアム奏者の外山さんにお伺いします。ご出身は?

外山さん 私は加茂市の出身です。

―― どんなきっかけでユーフォニアムを選んだのですか?

外山さん この楽器に出会ったのは小学校6年生、校内のクラブ活動でした。その前の年、小学校5年生の時に音楽クラブという器楽合奏のクラブに所属していました。その時はアコーディオンを弾いていたのですが、6年生になったら、そのクラブが、トランペットやトロンボーンをはじめとする金管楽器の合奏をするクラブに変わったんです。スタートはその時ですが、「ユーフォニアムをやりたい」と希望したわけではなくて、先生がこれをやりなさいと選んでくださいました。

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―― アウトリーチ事業に参加した理由は。

外山さん ユーフォニアムは吹奏楽という合奏のなかで活躍することが多いのですが、私はソロで演奏するのが好きなんです。この事業に参加したら、新潟県内で演奏活動がたくさんできると思い、オーディションに応募しました。

―― 大変だったことや、印象的だったことはありますか。

外山さん やはりプログラムを作成する研修期間(初めの約2ヶ月間)が大変でした。どんな言葉を選んでお話をすると子どもたちに思いが伝わるのか、検討しながらしっかりと台本づくりをしました。例えば、私はある曲で水面がキラキラと輝く様子を説明するために、「みなも」という言葉を使っていたのですが、「それは小学生には馴染みのない言葉かも知れませんね」とアドバイスを受けました。

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―― お2人ともに小学校を15校以上も訪問して、ご自身の中で何か変化はありましたか?

本間さん 一番大きく変わったのは曲の選び方です。私が小学校で演奏したプログラムには有名曲だけでなくマイナーな曲も入っていたのですが、意外なことに子どもたちは、知らない曲の方が熱心に聴き入ってくれました。これは私にとって新しい発見でした。

今年の小学校訪問を全て終えて、「子どもたちに生の音楽を聴く喜びを届けたい」という思いは、むしろこれまで以上に強くなりました。小学校訪問は本当に楽しかったので、今すぐにでもまた行きたいですね!

外山さん 子どもたちは想像以上に私の演奏を喜んで聴いてくれるので、「生の演奏を間近で聴く機会って、やっぱり必要なんだな」と強く思うようになりました。終演後に涙する子どももいますし、後日感想を書いて送ってくれることもあり、それを読むといろんな受け止め方をしてくれたことがわかります。音楽には何かを伝える強い力があると、改めて感じています。

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―― さて、そんなお二人が出演するジョイント・コンサートが、3月24日(土)秋葉区文化会館で行われます。聴きどころを教えてください。

本間さん 私たちはこの1年間、“世界一厳しい聴衆”である子どもたちを相手に、たくさんの本番を重ねてきました。子どもたちはこちらが一瞬でも気を抜くと途端に集中してくれなくなり、もう演奏を聴く姿勢には戻りません。その反応は、学校の音楽室で近い距離にいるから、私たち演奏者にダイレクトに伝わりますし、とてもシビアなんです。

緊張感たっぷりの本番を重ね、鍛えられた私たちです。ジョイント・コンサートでも、時間があっという間に感じられるような、音楽の魅力がぎゅっと凝縮した演奏をお届けできればと思います。

外山さん 今回は、全国各地でアウトリーチ・アーティストとして活躍している、ヴァイオリニストの坂口昌優(さかぐちまゆ)さんをゲストにお招きしています。コンサートの幕開けは本間さんのピアノ、続いて私外山のユーフォニアム、そして坂口さんのヴァイオリンを聴いていただく構成ですので、様々な楽器を一度に楽しんでいただけます。

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―― 最後にお二人の意気込みと、読者の皆さまへのメッセージをお願いします。

本間さん 私が演奏する3曲はすべて今回のコンサートのために準備した曲です。私にとっては大きな挑戦なのですが、繊細な音色から楽器全体を鳴らすような迫力ある音まで、ピアノの持つギャップを楽しめるプログラムになっています。

メジャーな曲ばかりなので、どんな方にも楽しんで聴いていただけます。3月24日(土)は秋葉区文化会館へお越しください。お待ちしています!

外山さん 私は「この曲を聴いてほしい」というより、ユーフォニアムの音そのものを楽しんでいただきたいです。ユーフォニアムの音って想像できますか?この楽器はとっても温かい音がしますので、聴いていると待ち望んだ春を感じることができると思います。ぜひ会場で生の演奏をお楽しみください!

―― ありがとうございました。

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